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昨今の急激な普及により、携帯電話の主流となり始めているスマートフォン。各通信事業者の開発努力により、ここ1年でだいぶ改善されてきているが、フィーチャーフォンと比較して「バッテリーが持たない」という不満をよく耳にする。

各社のWebサイトの製品ページやパンフレットに待ちうけ時間など詳しい仕様が記載されているが、実際にどのくらいバッテリーが持つのかは分かりにくい。そこで本稿では、各通信事業者の2013年夏モデルの主要機種から「バッテリーが長く持つ機種」を探ってみた。

○駆動時間に大きく影響するバッテリー容量

今回、バッテリーのテストするにあたって用意したスマートフォンは、NTTドコモの「GALAXY S4 SC-04E」「Xperia A SO-04E」、KDDI(au)の「Xperia UL SOL22」「HTC J One HTL22」、ソフトバンクモバイルの「AQUOS PHONE Xx 206SH」「ARROWS A 202F」だ。各社2機種ずつ、計6機種を用意した。

これら6機種のバッテリー容量を比較すると、最も大容量なのが3080 mAhの「AQUOS PHONE Xx 206SH」、続いて3020 mAhの「ARROWS A 202F」となる。ともにソフトバンクのスマートフォンだ。この後にドコモの「GALAXY S4 SC-04E」「Xperia A SO-04E」、auの「Xperia UL SOL22」「HTC J One HTL22」の順となる。

あたりまえだが、バッテリー容量が多ければ多いほど駆動時間が長くなる。そういう意味では、「AQUOS PHONE Xx 206SH」が最も「バッテリーが長く持つ機種」と言える。だが、ディスプレイの大きさや搭載アプリケーションのバックグラウンドでの動作などさまざまな理由により「最も大容量のバッテリーを搭載した機種が一番」と言い切れないかもしれない。

そこで、計4種類のバッテリーテストを実施し、6機種のバッテリー駆動時間について検証してみた。

なお6機種すべて工場出荷時の状態のもので、次の条件でテストしている。Googleアカウントは1つだけ設定し、「自動同期」の設定はオン。無線LANもオンで自宅アクセスポイントに接続。Bluetooth、GPSも有効にしてある。ディスプレイ輝度は50%付近で固定。そのほかは標準のままだが、端末ごとに省電力設定がある場合は、それは全てオフに。また、バッテリー消費を確認するため、バッテリー残量チェックアプリ「Battery Mix」をインストールし、1分ごとの監視時間で計測。

なお、これらの設定は「バッテリー消費を意識せずに使用する人」を想定している。これらの前提を踏まえて以下のテスト結果を見て欲しい。

○4種類のバッテリーテストで徹底チェック

1. ベンチマークアプリ「Battery Benchmark」でチェック!

最初のテストは、Android向けのバッテリーベンチマークアプリ「Battery Benchmark」の結果を紹介したい。このアプリは、無線LANやGPS、Bluetoothの設定をオンにした状態の通信、画面の点灯・消灯などの動作をひたすら繰り返して、バッテリー消費を計測するというもの。

テストは電源が切れるまでの「Full bench」、バッテリー残量50%まで行う「Long bench」、バッテリーが5%消費されるまで行う「Short bench」の3種類があるが、今回はFull benchを実施した。

Battery Benchmarkの結果では、最もバッテリー持続時間が長かったのは、12時間15分でソフトバンクの「ARROWS A 202F」。続いて、11時間28分で同じくソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 206SH」となった。3,000mAhクラスのバッテリーを搭載するソフトバンクの2機種が堂々の10時間オーバーでトップ。ほぼバッテリー容量に準じたかたちとなった。

2. YouTubeの連続再生時間でチェック!

続いて、動画の連続再生でどのくらいバッテリーを消費するかチェックしてみた。今回は、YouTube再生アプリ「PVSTAR+」を使い、「人気動画ランキング」のトップ100の動画をひたすら再生し続け、バッテリーがゼロになるまでの時間を計測した。

YouTubeの動画をストリーミング再生し続け、画面もずっと点灯した状態となるため、かなりバッテリーを消費するテストだ。

結果は、「AQUOS PHONE Xx 206SH」(ソフトバンク)が10時間越えを達成しトップで、「ARROWS A 202F」(ソフトバンク)「GALAXY S4 SC-04E」(ドコモ)と続いた。こちらも基本的にはバッテリー容量に応じた再生時間となった。

3.パズル&ドラゴンズの連続プレイ時間でチェック!

3つ目のテストは、人気のゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」を長時間プレイした際のバッテリー減りをチェックしてみた。

テストは、アプリを新規でインストールして最初のチュートリアルからスタートし、バッテリーを20%消費するまでの時間を計測している。ゲームの内容によってバッテリー消費量は異なる可能性はあるが、スマートフォンでゲームを楽しむ人にはいい目安になるだろう。

1時間を越えたのは、またしてもソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 206SH」「ARROWS A 202F」の2機種。この2機種の差は8分だが、100%消費するまでを単純に計算すると、「AQUOS PHONE Xx 206SH」が5時間50分、「ARROWS A 202F」が5時間10分。「AQUOS PHONE Xx 206SH」が40分ほど長くプレイできる計算になる。

4. 待ち受け持続時間でチェック!

最後に、待ち受け状態での持続時間を計測してみた。テストはホーム画面を点灯し続け、バッテリーがなくなるまで放置するというもので、ディスプレイを常時点灯させるためのアプリ「No Screen Off」を新たにインストールして計測している。

結果はソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 206SH」、ドコモの「Xperia A SO-04E」が12時間超えを達成し、僅差でソフトバンクの「ARROWS A 202F」が続くかたちとなった。ちょっと不思議なのが、「Xperia A SO-04E」の結果だ。同じXperiaシリーズであるauの「Xperia UL SOL22」と比較し、2倍近くの差がでている。だが、いずれにしても他のテストと同じく「AQUOS PHONE Xx 206SH」は頭ひとつ抜けた結果となっている。

○メーカーの省電力設定も活用してかしこくバッテリー管理

本稿で実施したテストでは、ソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 206SH」がすべてのテストで優秀な結果に。そして同じくソフトバンクの「ARROWS A 202F」も優秀な結果となり、電池容量の大きなソフトバンクの2機種が良い結果をおさめた。

前述した通り、今回のテストは「バッテリー消費を意識せずに使用する人」を意識した厳しめのテストを実施している。よって「AQUOS PHONE Xx 206SH」は、画面の点灯時間や画面の輝度、通信機能のオンオフなどを端末設定に少し気を使うだけで、まる一日バッテリー残量を気にせずに利用することができるだろう。加えて「AQUOS PHONE Xx 206SH」は、省エネ設定を一括で設定できる「エコ技」という機能もあり、画面オフの状態で通信をしないなど、使い勝手を維持しつつ、省電力化を図ることができるので、さらにバッテリー持続時間を延ばすことが可能だ。

スマホ時代の今、「バッテリー持ち」はスマートフォン選びの重要なポイントの1つである。「なによりもバッテリーが長持ちするスマートフォンがいい」と考えているユーザーは、本稿で紹介した通り大容量バッテリーの機種を選び、省電力設定に気を使って運用するとよいだろう。