日本に住む台湾人女性のみほ(ハンドルネーム)さんは、日本人の彼氏といつもケンカになるという。彼氏が日本人であるがゆえにケンカになることが多い。ただし、ふたりの感情に尾を引くことはなく、後で考えると、「笑っちゃうような理由」という。

 まず1つ目は「男は外で働き、女は家で家事をするという考え」がケンカの原因となる。たまに彼氏の家へ行って彼氏の帰宅を待つことがある。テレビを見たり、うたた寝したり、本を読んだりしていると、帰宅した彼氏が「自分はがんばって仕事して帰ってきたのに、お前は家に来てもご飯を作ることも部屋の片付けもしない」と怒り出す。

 「親でもないのになぜそんなことをしないといけないのか」と思うそうだが、それでも料理本を買って彼のために日本料理を勉強しているという。ブログからは、疑問を感じても相手が日本人だから、考え方も違うのだろう理解し、ならば相手に喜んでもらおうとがんばる女性の心が伝わってくる。

 彼女自身の日本語の能力も問題になるという。逆に彼氏は多くの日本人と同様に英語が苦手。彼女がハリウッドスターの名を挙げても、彼氏は「さっぱり聞き取れない」という。彼女からすると、日本人はブラッド・ピットやジョニー・デップなどの名前をカタカナ読みにしているので、原音と違いが激しくて、分かりにくい。結局は発音を巡ってケンカになるそうだ。

 さらに彼は「女性を管理したがる」性格がある。遠出することを許してくれず、勝手に行こうとすると怒る。彼氏に「広島へ旅行に行きたい」とお願いしたのに、全然相手にしてくれなかったという。その後、友人が広島の実家に帰省すると聞き、広島の話を聞きたくて彼氏も含めて3人で食事を使用と提案したのだが、彼氏は「隠れて2人で何をしているのか」と怒り出したそうだ。結局、後日1人でこっそり旅行へ行ってきたらしい。

 このあたり、「彼に悪いことをするのでもないし、そもそも、広島に行くのは私の勝手でしょ」と考え実行する女性のしたたかさが見え隠れするような気もする。

 4つ目は「それが台湾人の常識なのか」と言われること。彼氏が怒る時、彼女はかえって冷静になり、何も話したくなくなるそうだ。すると彼氏はさらに怒って「黙っているのが台湾人の常識なのか」と言ってくる。そして、ケンカがはじまる

 しかし、筆者はどんな理由でケンカするとしてもいつもきちんと仲直りしているようだ。「後から振り返るとどれもこれも笑えるような理由」とコメントしている。ブログには直接書いていないが、彼女は彼氏のよいところもたくさん見いだしているのだろう。

 あくまでも、このブログから読み取れるかぎりだが、この男女のつきあいを見ると、「それが台湾人の常識か」と発言してしまうところなど、彼氏の側にやや気配りが足りないような気がするが、どうだろう。台湾人と交際する以上、過度に「日本式」を押し付けるより、台湾人のよさを引き出してあげた方が「つきあっていることの幸せ」をより強く感じられるようにも思うのだが。(編集担当:畠山栄)