写真提供：オギスポ！



 専修大学・スターティングイレブン


 



20分に先制点を決めた六平光成(4年・前橋育英)


 



専大の攻撃の中心・長澤和輝 



専大の主将・鈴木雄也(4年・武相)。先制点を呼び込む芸術的なスルーパスを配給




 


中央大がインカレの出場圏である最後の一枠を、"逆転"で手に入れた。
最終節を前にして中大は圏外の5位にいたものの、4位・日本体育大との勝ち点差はわずか"1" 。しかし、この直前に行われた日体大と早稲田大の試合で日体大が敗れた事により、中大は勝利をすることでインカレの出場権を得ることが出来るというシチュエーションになった。「中大は死ぬ気で戦ってきてくれた」とは専大主将・鈴木雄也(4年・武相)の言葉である。試合内容で見れば専大だった。しかし、結果は2-1で中大の勝利。応援席も含めた中大サッカー部に関わる多くの人々の強い気持ちが呼び込んだ勝利だ。



インカレ出場を喜びあう中大の選手たち。中央は主将・奥山慎(4年・帝京)


 


序盤から中大は右サイドバックの今井智基(4年・大宮Y)やボランチの六平光成(4年・前橋育英)が積極的に前線に顔を出し、厚みのある攻撃を展開。これに対してやや後手になってしまった専大は思うようにポゼッションを高めることが出来ず、攻撃の中心である長澤和輝にボールが入らない状況が続く。そして迎えた19分、自陣で安田隆(4年・三菱養和)が粘って繋げたボールを六平が前線へ。川越勇治(3年・川崎U-18)、奥山慎(4年・帝京)がそれぞれ横にそらしたところに走りこんだのは六平。GKとの1対1を冷静に沈め、中大が先制点を挙げる。しかしそのわずか1分後、鈴木のスルーパスに抜け出した前澤甲気(2年・清水商業)の折り返しを西翼(4年・ルーテル学院)が押し込み同点に。しかし中大はこの状況にも動じなかった。攻撃に絡む選手達の迷いのない縦への早いパス交換を幾度も見せ、22分、24分と立て続けにチャンスを作る。そして27分、安柄俊(4年・東京朝鮮)がPA内で倒されPKを獲得。これを安が自ら沈めて中大が勝ち越しに成功。しかしその後は中大の勢いが陰りはじめ、中盤でのスペースが空き始める。そして下田北斗(3年・大清水)や途中出場の星野有亮(2年・静岡学園)が中盤での覇権を握り、両サイドを使った攻撃を展開。しかし「専修の攻撃の形が時間が経つに連れてわかってきた」(六平)「外から流れて中央に入ってくる形が掴めた」(岡西宏祐 4年・山梨学院大学附属)と、全体が統一された高い守備意識を持ち、最後の場面で決定機を作らせない。そしてそのまま試合は終了。2-1で中大が「狙い通り」(白須監督)の勝利を納め、逆転でのインカレ出場を手にした。


「2日前にIリーグを戦っていた4年生が引退して、そこで熱い試合を見せてくれたので、自分たちもそれに答えなきゃいけないと思った」(奥山) 勝利が絶対条件であることに加えて、このような状況もかさなり高いモチベーションで臨んだ中大。既に優勝が決まっていた専大としては彼らを相手に戦うのは心情的にも難しかったに違いない。「試合前から、少し気持ちが浮ついていた」と仲川輝人(2年・川崎U-18)は述べている。


 


この試合を最後に2012年度の関東大学サッカーリーグ戦は幕を閉じ、最終的に専修大、明治大、早稲田大、中央大の4校がインカレへの出場権を手にした。今年度、最後の日本一を決める全日本大学サッカー選手権大会は、12/19に開幕する。


 


 



 



 


Man Of the Match


中央大学 MF 7 六平光成






試合終了後には、「祝 インカレ出場」の弾幕が






【writer】

Reona Takenaka


【プロフィール】

平成元年生まれのロンドン世代。2011年よりCSParkのサッカーライターとして本格的に活動を始め、今年度は引き続き関東大学リーグの取材をしつつ、『EL GOLAZO』にて湘南ベルマーレの担当記者を務める。twitterでは記事とのギャップが垣間見える。

>>> Twitter： @reona32
>>> Blog： http://d.hatena.ne.jp/reona32/