中国初の空母「遼寧」が25日、中国海軍に引き渡され、就役した。ロシアの専門家は「中国初の空母は中国の海軍力をさらに強固なものにするだろう」と述べる一方、「遼寧」は時代遅れの産物であり、日本は心配無用だと論じた。中国メディアの環球時報(電子版)が報じた。

 中国が旧ソ連製の空母「ワリヤーグ」を購入する際、その使用目的について「海上カジノとして使用するため」と説明していた。しかし、購入後に中国は「ワリヤーグ」に対して大規模な改修工事を実施し、練習艦として2011年8月より試験航海を開始した。

 空母「ワリヤーグ」を「遼寧」と命名し、就役させた中国国防部は「海軍の作戦能力を増強させ、国家主権の維持、世界平和の促進に役立つ」と宣言している。

 ロシアの戦略分析技術センターの専門家は「空母就役と尖閣諸島(中国名:釣魚島)の問題は関係ない」と指摘、「この先何年かは航海作戦には参加できないだろうし、そもそも同空母は技術開発のための試験と訓練のために用いられる」と主張した。

 また、未完成のまま中国へ引き渡された「ワリヤーグ」は設計が完璧ではなく、同型艦も就役後に欠陥があることが明らかとなっている。「ワリヤーグ」を基礎に作られた「遼寧」には近代化の問題があり、専門家は「中国初の空母は時代遅れであり、日本はしばらく心配する必要はないだろう」と主張した。(編集担当:及川源十郎)