ダルビッシュ×黒田、2年ぶり7度目となるMLB日本人選手同士の投げ合い (C) Eric Miller & Ray Stubblebine / Reuters

写真拡大 (全4枚)

米大リーグ、テキサスレンジャーズ・ダルビッシュ有とニューヨークヤンキースの黒田博樹が、24日(日本時間25日午前9時5分)にレンジャースの本拠地アーリントンで行われたレンジャーズ×ヤンキース3連戦の2戦目でともに先発登板し、直接対決を果たした。

先に点を許したのは黒田。レンジャーズが初回、1番キンスラーの先頭打者ホームランで1点を先制した。
ナポリとのバッテリーを組んだダルビッシュは、前回に続いて安定した立ち上がり。ランナーは出すものの要所を締め、3回には無死満塁のピンチで2番グランダーソンを三振。続くロドリゲスを三塁ゴロ併殺打に仕留めてピンチを脱した。黒田は3回にもハミルトンのタイムリーで失点し、この試合2失点目。

試合は両投手の投げ合いのまま7回裏2アウトまで進んだところで、黒田が2番手ラパダのリリーフを仰いだ。

ダルビッシュは8回まで無失点に抑え、MLB移籍後最多となる10三振を奪った。このまま完封を狙うかに見えたが、9回1死でスウィッシャーにヒットを許したところで守護神のネイサンに交代。ネイサンが後続を抑え、ダルビッシュはメジャー移籍後最高のピッチングで3勝目。黒田との日本人投手対決を制した。

2失点の黒田は打線の援護が得られず不運な3敗目となったが、強打のレンジャーズ相手に7回途中2失点と、こちらも投球内容では結果を残した。

■黒田 登板成績
イニング:6回2/3 投球数:107 安打:5 失点:2 三振:5 与四死:2 被本塁打:1

■ダルビッシュ 登板成績
イニング:8回1/3 投球数:119 安打:7 失点:0 三振:10 与四死:2 被本塁打:0


TEX 2-0 NYY (試合終了)
NYY |000 000 000|0
TEX |101 000 00X|2

勝:ダルビッシュ 3勝0敗 2.42
セーブ:ネイサン 2敗5S 4.15
負:黒田 1勝3敗 4.38
本塁打:(TEX)キンスラー 5号ソロ

<投手リレー>
NYY:黒田−ラパダ−ウェイド−ローガン
TEX:ダルビッシュ−ネイサン


【ヤンキース・スタメン】=先攻
1.(遊)デレク・ジーター
2.(中)カーティス・グランダーソン
3.(DH)アレックス・ロドリゲス
4.(二)ロビンソン・カノー
5.(一)マーク・テシェーラ
6.(右)ニック・スウィッシャー
7.(左)ラウル・イバニエス
8.(三)エリック・チャベス
9.(捕)ラッセル・マーティン
(投)黒田博樹 3試合 1勝 2敗 防5.00

【レンジャーズ・スタメン】=後攻
1.(二)イアン・キンズラー
2.(遊)エルビス・アンドラス
3.(左)ジョシュ・ハミルトン
4.(三)エイドリアン・ベルトレー
5.(DH)マイケル・ヤング
6.(右)ネルソン・クルーズ
7.(左)デビッド・マーフィー
8.(捕)マイク・ナポリ
9.(一)ミッチ・モアランド
(投)ダルビッシュ有 3試合 2勝 0敗 防3.57


【1回表=ヤンキース】
■1番:デレク・ジーター(右)メジャー18年目・37歳
初球を詰まらせてショートゴロ ワンアウト

■2番:カーティス・グランダーソン(左)メジャー9年目・31歳
フルカウントまで追い込むもフォアボール

■3番:アレックス・ロドリゲス(右)メジャー19年目・36歳
縦のスライダーで空振り三振 ツーアウト

■4番:ロビンソン・カノー(左)メジャー8年目・27歳
0-1からカットボールを詰まらせてサードゴロ スリーアウトチェンジ

・今季初めてとなるセットボジションからの投球。2番グランダーソンにはフルカウントから四球を与えたものの、後続を難なく抑え上々の立ち上がりとなった。


【1回裏=レンジャーズ】
■1番:イアン・キンズラー(右)メジャー7年目・29歳
1-1から左中間へ高々と上がる打球。スタンドに飛び込む先頭打者ホームラン
TEX 1-0 NYY

■2番:エルビス・アンドラス(右)メジャー4年目・23歳
1-1からショートゴロ。ワンアウト。

■3番:ジョシュ・ハミルトン(左)メジャー6年目・30歳
初球を打ってファースト左へのゴロ。テシェーラが好捕してベースカバーの黒田にトス。ファーストゴロでツーアウト。

■4番:エイドリアン・ベルトレ(右)メジャー15年目・32歳
2-2からピッチャーゴロ。スリーアウト。

・先頭打者のキンズラーにソロホームランを浴びるも、後続をきっちりと抑えて1失点で切り抜ける。前回登板から課題となっている立ち上がりを攻められる格好となった。


【2回表=ヤンキース】
■5番:マーク・テシェーラ(右)メジャー10年目・31歳
1-2からスライダーを強打するもセンターフライ

■6番:ニック・スウィッシャー(左)メジャー9年目・31歳
2-2から143km/hのスプリットで空振り三振

■7番:ラウル・イバニエス(左)メジャー17年目・39歳
フルカウントまで追い込み121km/hのカーブで空振り三振スリーアウトチェンジ

・ボールが低めにコントロールされ、この回もストライクが先行。イバニエスから今日3つめの三振を奪った。


【2回裏=レンジャーズ】
■5番:マイケル・ヤング(右)メジャー7年目・29歳
フルカウントからファースト後方へのフライ。風に流されるがファウルゾーンでカノーが捕球してセカンドフライ。ワンアウト。

■6番:ネルソン・クルーズ(右)メジャー8年目・31歳
2-2から詰まった当たりのショートゴロ。ツーアウト。

■7番:デビッド・マーフィー(左)メジャー7年目・30歳
0-1から内角高めフォーシームを引っ張ってライト前ヒット。ランナー1塁。

■8番:マイク・ナポリ(右)メジャー7年目・30歳
1-2から落差の大きい変化球で空振り三振。スリーアウトチェンジ。

・時折センター方向からの強風が吹きつけるコンディションながらも、このイニングを1安打無失点に抑える。2イニングで32球と、球数はやや多め。


【3回表=ヤンキース】
■8番:エリック・チャベス(左)メジャー15年目・34歳
1-1からアウトコースに甘く入ったフォーシームをライト前に運ばれる。ノーアウトランナー1塁

■9番:ラッセル・マーティン(右)メジャー6年目・29歳
フルカウントまで追い込むもフォアボールノーアウト1、2塁

■1番:デレク・ジーター
初球を1塁線に転がすバント。守備の乱れもありファーストに送球できずノーアウト満塁。

■2番:カーティス・グランダーソン
フルカウントまで追い込み、縦のスライダーで見逃し三振 ワンアウト満塁

■3番:アレックス・ロドリゲス
0-2からインコースのツーシームを詰まらせサード−ファーストへのダブルプレー スリーアウトチェンジ

・先頭の8番チャベスに許したこの試合初ヒットをきっかけに無死満塁の大ピンチを迎えたが、A・ロッドを三塁ゴロダブルプレイに仕留め無失点で切り抜けた。球のキレ、制球は依然安定している。


【3回裏=レンジャーズ】
■9番:ミッチ・モアランド(左)メジャー3年目・26歳
2-2からファースト左への強い打球をテシェーラが好捕。ファーストゴロでワンアウト。

■1番:イアン・キンズラー
1-0から詰まったあたりのサードゴロ。ツーアウト。

■2番:エルビス・アンドラス
フルカウントからカーブが高めに大きく外れフォアボール

■3番:ジョシュ・ハミルトン
2-0 アンドラスが盗塁。ランナー2塁。
2-1 外角のカーブを右中間へ弾き返してタイムリーライト前ヒット。アンドラスが生還してレンジャースが追加点をあげる。
TEX 2-0 NYY

■4番:エイドリアン・ベルトレ
1-2 低めの変化球がワイルドピッチとなりランナー2塁。
2-2 外角のスプリットで空振り三振。スリーアウト。

・3回に入っても依然コントロールが安定せず、この日はじめての許したフォアボールからハミルトンにタイムリーヒットを浴びる。


【4回表=ヤンキース】
■4番:ロビンソン・カノー
1-2から左中間を破るツーベースヒット ノーアウト2塁

■5番:マーク・テシェーラ
スプリットで三球三振 

■6番:ニック・スウィッシャー
119km/hのカーブで空振り三振

■7番:ラウル・イバニエス
初球を詰まらせてセカンドゴロ スリーアウトチェンジ

・先頭打者に今日初めての長打を許したが、直後に2者連続で三球三振を奪うなど俄然調子づいてきた印象。前のイニングに続くピンチを切り抜けた。


【4回裏=レンジャーズ】
■5番:マイケル・ヤング
1-0からゴロでセンター前へ抜けそうな当たり。ジーターが好捕してショートゴロ。ワンアウト。

■6番:ネルソン・クルーズ
0-1からインコースのフォーシームで詰まらせるが打球はライト前へ。ライト前ヒットでランナー1塁。

■7番:デビッド・マーフィー
2-2から落ちる変化球で空振り三振。ツーアウト。

■8番:マイク・ナポリ
フルカウントから高めのフォーシームを強振するものの空振り三振。スリーアウト。

・クルーズに1安打を許すものの後続をきっちりと打ち取る。ここに来て黒田の決め球である140km/h台後半のシュートボールが冴えはじめ無失点で切り抜ける。


【5回表=ヤンキース】
■8番:エリック・チャベス
フルカウントから高めのスライダーを引っ掛けてショートゴロ ワンアウト

■9番:ラッセル・マーティン
フルカウントからバットを折りながら二遊間への痛烈な当たりも、アンドリュースの好守でショートゴロ ツーアウト

■1番:デレク・ジーター
2-3から三塁線を痛烈に破るツーベースヒット ツーアウトランナー2塁

■2番:カーティス・グランダーソン
2-2からカーブを引っ掛けてファーストゴロ スリーアウトチェンジ

・この回はフォーシームでカウントを稼ぎ、スライダーで打ち取る組み立て。ジーターには長打を許したものの無失点で切り抜けた。投球数もここまで76球と安定。


【5回裏=レンジャーズ】
■9番:ミッチ・モアランド
初球をうってファースト正面のゴロ。ファーストゴロでワンアウト。

■1番:イアン・キンズラー
フルカウントから外角の変化球を選んでフォアボール。ランナー1塁。

■2番:エルビス・アンドラス
3-1からセカンド正面へのゴロ。ダブルプレイでスリーアウトチェンジ。

・先頭打者を1球で打ち取り、続くキンズラーに四球を許したものの、ダブルプレーでピンチを切り抜ける。このイニングを終えたところで86球。


【6回表=ヤンキース】
■3番:アレックス・ロドリゲス
0-2からストレートを詰まらせてセカンドゴロ ワンアウト

■4番:ロビンソン・カノー
1-2から二遊間にゴロを打たせるも、セカンド、ショートがお見合いしてセンター前ヒット

■5番:マーク・テシェーラ
0-2からインコースのストレートでバットを折らせるセンターフライ

■6番:ニック・スウィッシャー
2-0からスプリットでピッチャーゴロに仕留めスリーアウトチェンジ

・カノーにシングルヒットを許すものの、投球は回を追うごとに凄みを増している。ここまで被安打5、奪三振6。


【6回裏=レンジャーズ】
■3番:ジョシュ・ハミルトン
1-2から正面へのセカンドゴロでワンアウト。

■4番:エイドリアン・ベルトレ
1-2から正面へのサードゴロ。ツーアウト。

■5番:マイケル・ヤング
1-2からスライダーで空振り三振。スリーアウト。

・直球、変化球ともに冴え、リーグ1位の打率を誇るレンジャースクリーンアップを三者凡退に仕留める。6回までに94球2失点でクオリティスタートはクリア。


【7回表=ヤンキース】
■7番:ラウル・イバニエス(左)
フルカウントから146km/hのアウトコースのスライダーで空振り三振 ワンアウト

■8番:エリック・チャベス
2-2から148km/hのツーシームで空振り三振 ツーアウト

■9番:ラッセル・マーティン
0-2からセンカンド後方に落ちるヒット ツーアウトランナー1塁

■1番:デレク・ジーター
1-2から146km/hのスライダーで空振り三振 スリーアウトチェンジ

・2死で迎えたジーターをツーストライクに追い込むと、スタンドのファンが総立ちで三振を求める中、外角スライダーで空振り三振に。3つのアウトすべてを三振で奪い9奪三振。投球数はこの回で100球を超えた。


【7回裏=レンジャーズ】
■6番:ネルソン・クルーズ
2-2から高めの変化球を打ち上げる。平凡なセカンドフライでワンアウト。

■7番:デビッド・マーフィー
2-2からセカンド後方へのフライ。センターのグランダーソンが前に出て捕りセンターフライ。ツーアウト。

■8番:マイク・ナポリ
0-2からラインドライブでセンター前ヒット。ランナー1塁。

※ここでピッチャーがサウスポーのクレイ・ラパダに交代

■9番:ミッチ・モアランド
1-2から正面へのセカンドゴロ。スリーアウトチェンジ。

・球数100球を超えるも、球威、制球ともに衰えは見られなかったが、ナポリにセンター前ヒットを許したところでラパダ(左)にピッチャー交代。


【8回表=ヤンキース】
■2番:カーティス・グランダーソン
1-2からスライダーで空振り三振 ワンアウト

■3番:アレックス・ロドリゲス
1-0からスライダーを打たれるもショートゴロ ツーアウト

■4番:ロビンソン・カノー
1-2からスライダーを引っ掛けてファーストゴロ スリーアウトチェンジ

・先頭グランダーソンからこの日10個目の奪三振。カノーへの3球目は最速の154km/hを記録するなど、もはや日ハム時代と比べても遜色ない投球内容となっている。


【8回裏=レンジャーズ】
※ヤンキースのピッチャーは3番手のコリー・ウェイドに交代

■1番:イアン・キンズラー
2-2からポップフライ。レフトフライでワンアウト。

■2番:エルビス・アンドラス
初球を打って強烈なサードゴロ。チャベスが捕ってツーアウト。

※ヤンキースのピッチャーは4番手のブーン・ローガンに交代

■3番:ジョシュ・ハミルトン
2-2から低めの変化球で空振り三振。スリーアウトチェンジ。


【9回表=ヤンキース】
■5番:マーク・テシェーラ
1-0からツーシームを打ち上げセンターフライ ワンアウト

■6番:ニック・スウィッシャー
2-1から甘く入ったスライダーをレフト前ヒット ワンアウト1塁

※ここでピッチャーがダルビッシュからクローザーのネイサンに交代

■7番:ラウル・イバニエス
初球を引っ掛けセカンドゴロからのダブルプレーでスリーアウト
試合終了

・最終回もマウンドへ送り出され、このまま完封を狙うかに見えたダルビッシュだが、一死からスウィッシャーにヒットを許したところで降板を告げられた。しかしベンチへ向かう際には本拠地のファンのスタンディングオベーションを受け、右手をあげて応えた。


■Baseball Journal編集部 プレビュー
日本人投手同士が先発で投げ合うのは、一昨年7月の黒田(当時ドジャース)とエンゼルスの高橋尚(当時メッツ)以来、2年ぶり7度目。ダルビッシュはここまで3試合に登板し、2勝0敗、防御率3.57、14奪三振、13四球という成績。1、2回目の登板では持ち前の制球力も影を潜め、四球、被安打ともに多かったが、前回登板したタイガース戦では6回1/3を2安打1失点と、徐々にメジャー流にアジャストしつつある。

一方の黒田はここまで1勝2敗、防御率5.00、12奪三振、6四球と、いまひとつピリっとしない成績。昨シーズン、防御率ナ・リーグ9位という好成績を買われ、ヤンキースのローテーションの一角を担う存在として招かれただけに、そろそろ本来のピッチングを見せて欲しいところ。

ちなみにダルビッシュと黒田は、日本時代を含めて初めての対決。メジャー5年目で、実力でヤンキースのローテーションをもぎ取った黒田と、日本球界での華麗な成績を引っさげて鳴り物入りでメジャー入りしたダルビッシュ。2年ぶりとなる「日本人投手対決」は、果たしてどちらに軍配が上がるのか。