ちょっとオシャレな飲食チェーン店。この外観を見て、「あっ!」と思ったアナタ。もしかしてアノ町の出身ですね

写真拡大

「あの街には絶対に出店しないほうがいいんですよ……」、ある中堅ファミレスの立地開発担当A氏はそうつぶやいた。彼が話す“あの街”とは、群馬県高崎市である。

「全国展開するファミレスが必ず苦戦するのは、地域密着型のローカルチェーンが強い地域。ハンバーグチェーンの『さわやか』が強固な地盤を築く静岡や、和風レストラン『まるまつ』がある宮城がその典型ですが、高崎市はとりわけその傾向が強い。特にパスタやピザが主力のイタリアン系ファミレス店が苦しんでいます」(A氏)

 実をいうと高崎市は“パスタの街”。市の商業課によれば、「高崎市は古くからうどんなどの粉食文化が発達してきた。そうした風土のなかでパスタの人気が高まり、専門店が一気に増えていった」とのこと。

 来月3日には高崎のナンバーワンパスタを決める「キングオブパスタ」が開かれる。実行委員長の青島真一氏がこう話す。

「この街にパスタを根づかせたのが、昨年のキングオブパスタに選ばれた『シャンゴ』という店です。シャンゴは市内に数店舗を構える創業約40年のイタリアンチェーンです」

 ここで修業をした料理人が独立して店を出すなどして、市内にパスタ店が増えていった。

「高崎市民はパスタに関して舌が肥えてますから、大手チェーンは苦戦しています。あのサイゼリヤでさえ市内に3店舗しかないし、カプリチョーザは0店。洋麺屋五右衛門は隣の前橋にはあるけど、高崎には入ってこないようです」(青島氏)

 恐るべし、高崎市である。

(取材・文/興山英雄)

【関連記事】
見た目も味もそっくり? 絶滅危惧食品「レバ刺し」の代用品『マンナンレバー』
人気イケメンシェフ、川越達也の悪口を言う人は誰もいない?
伝説の「イチローカレー」が食べられるレストランが登場
『港屋』の肉そばは、サラリーマンが求めていた“ガッツリ系”日本そば
【グルメ】プロレスラー・川田利明が厨房に立つ麺屋