中国当局は、外国人のチベット観光を7月末ごろまで再び禁止する通達を出した。中国が外国人のチベット観光を禁じたのは、今年に入って2度目。AFP通信などが伝えた。

 ラサ中国旅行社の社員は「現時点で、外国人観光客の受け入れは不可能だ。弊社は当局からの通達を受け取り、外国人客の受け入れ禁止は7月26日まで続く」と話した。

 西蔵青年旅行社の社員も、「禁止令は今月14日から実施された。人民解放軍によるチベット『解放』60周年記念行事と関係がある」と語った。中国政府系・環球時報がラサ観光サイト運営者の話を引用して伝えたところでは、当局による外国人チベット観光禁止措置は、安全面を考慮して8月中旬まで続く可能性があるという。

 2008年3月のチベット騒乱発生後、北京政府は1年あまりの間、全外国人のチベット訪問を禁じた。騒乱3周年の今年3月、外国人のチベット立ち入りが再び禁止されたが、4月以降は解除された。しかし、外国人観光客は中国入国ビザおよびチベット入境特別許可証の取得、旅行社主催ツアー参加によるチベット訪問が義務づけられている。(編集担当:松本夏穂)



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