「患者を落とす」という驚愕の事実がある(写真:SARINYAPINNGAM/iStock)医師から処方される薬剤が原因で、生気がなくなったり、落ち着きを失ったり、認知機能が低下したりする高齢者が数十万人に及ぶかもしれないとしたら信じられるだろうか。これを「薬剤起因性老年症候群」と呼ぶが、高齢者にとって人生総決算の大切な時期に普段の自分を見失うことは、いわば尊厳を奪われるに等しい。注意を要する薬剤を適正に使っていない点