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小田急電鉄が2019年度の鉄道事業設備投資計画を発表。新型通勤車両5000形の導入、特急ロマンスカー30000形「EXE」と通勤車両のリニューアルも含めたサービスの向上、ホームドア設置など安全対策の強化を中心に、総額327億円の設備投資を行う。

同社は昨年3月に完成した代々木上原〜登戸間の複々線を最大限に活用したダイヤ改正により、抜本的な輸送改善を図ってきたという。2019年度は複々線の完成などで輸送力の増強が図られたことを受け、「サービスの向上」「安全対策の強化」を中心に設備投資を実施する。

サービスの向上に向けては、2019年度中の導入をめざし、新型通勤車両5000形を製造。特急ロマンスカー30000形「EXE」のうち1編成を「EXE α」にリニューアルし、通勤車両1000形は2編成をリニューアルする。その他、車いすスペース、車内LCD表示器、自動放送装置を設置し、環境への配慮として制御装置の更新や車内照明のLED化による省エネルギー化、主電動機、コンプレッサなどの床下機器の低騒音化を図る。

参宮橋駅・下北沢駅・向ヶ丘遊園駅・片瀬江ノ島駅の改良工事も進め、魅力的な駅をつくる。参宮橋駅は駅周辺の環境との共生を図りつつ、木の温かみが感じられる駅をめざし、2020年夏頃の施設供用に向けて引き続き駅改良工事を行う。下北沢駅では2018年に駅舎部の構築を完了しており、2019年度は駅商業施設や通路部の整備を進める。

向ヶ丘遊園駅では、歴史や自然との調和を意識した「ナチュラル・レトロモダン」をコンセプトに、2019年度中の完成に向けて開業当時から残る北口駅舎を改修し、原型を保存しながら外装を一新する。片瀬江ノ島駅は、2020年5月予定の駅舎完成に向けて、本格的な竜宮造りの駅舎建設工事に着手する。

安全対策の強化に向けては、ホーム上における安全性向上のため、代々木上原駅(1・4番ホーム)、東北沢駅、世田谷代田駅、梅ヶ丘駅にホームドアを設置し、2019年度中に使用開始する予定。2022年度までに1日の利用者数10万人以上の駅へホームドア設置を計画しており、実施に向けた設計などを推進する。

他にも自然災害(土砂崩壊など)による被害を抑制するための法面改修工事の推進、大規模地震による被害を最小限に抑えるための耐震工事の推進、踏切の安全性を一層高めるために非常ボタンの増設や高機能障害物検知装置への更新工事などを推進する。

「ロマンスカーミュージアム」は「“子ども”も“大人”も楽しめる鉄道ミュージアム」をコンセプトに、小田急の歴史を後世に伝える施設として小田急線海老名駅の隣接地で建設工事を進めている。2021年春(予定)の開業に向け、今年度は施設建物を建築する。