松任谷正隆、Nakajinと対談! セカオワ最新作に「超ショックを受けた」理由
松任谷正隆がゲストの好きな場所に“おでかけ”して対談するTOKYO FMの番組「松任谷正隆のおでかけラジオ」。2月15日(金)の放送では、SEKAI NO OWARIのNakajinさんをゲストに迎え、SEKAI NO OWARIが立ち上げたライブハウス「club EARTH」からお届けしました。
松任谷:SEKAI NO OWARIの始まりは?
Nakajin:高校を卒業するくらいのときにFukaseとバンドを始めたんですけど、うまくいかなくて。ずっと幼なじみでやってきたこともあって、その空気感を出しすぎたのかもしれない。そのバンドがダメになって、Fukaseと僕は宅録で音楽を作り始めたんです。その後、ピアノができる子(Saori)と、DJ的なことができる人(初代DJ LOVE)がいたので、4人でこのライブハウスを始めました。
松任谷:DJとバンドというのが、今までは――。
Nakajin:いなかったですね。僕も、全然ピンときてなかったです。
松任谷:なんでDJだったの?
Nakajin:ドラムがいなかったからという1点でした。割とネガティブな理由で……。
松任谷:なるほどね。
Nakajin:当時は「ドラムやベースの迫力がない」とライブハウスの店長に言われたりすることもあって、悔し涙を流すことが多かったですね。自分たちの音楽には自信があったけど、バンドとして不完全に見られるのが……。
松任谷:自信がなかった?
Nakajin:色物と言えばそうだし、すごくかっこいい打ち込みができるわけでもなかったので……今でこそ(バンド内にDJがいることは)すごく長所のように思えるんですけど、最初は短所だなと思っていました。
松任谷:逆に自信があったところは?
Nakajin:歌のメロディーですかね。それはすごく大切にしてきたバンドだと思っていて。
松任谷:メロディーって一言で言っても、まあ、限られた世界のなかのものじゃないですか。
Nakajin:はい。
松任谷:どういうところに自信を持っていたんだろう?
Nakajin:うーん……自己判断ではあると思うんですけど、自分がいいメロディーだなって思えること。
松任谷:それは大事ですよね。
Nakajin:そうですね。当時はよく「オルゴールにしてもいい曲にしたい」と言っていました。
松任谷:ほお。
Nakajin:オルゴールって、メロディーに軽く伴奏をつけられる程度ですよね。「それでもちゃんといい曲になることが大事だよね」と、よくメンバーで話していました。
松任谷:それはすごいですね。そういうことを言う人、あまりいないと思うけれど。曲作りや曲選びはどうやっているんですか?
Nakajin:結構、“時代”によって――。
松任谷:もちろんそうだよね。
Nakajin:最新アルバム(『Eye』『Lip』)を作っていたのは去年だったんですけど、2枚出そうと最初から決めていたので、そのために3人のソングライター(Fukase、Saori、Nakajin)がそれぞれに曲を作るという感じでしたね。詞曲はまずそれぞれが完成させるっていうのが僕らのルール。(作詞者・作曲者のところに)名前がクレジットされるわけですから、責任を持って、それぞれが納得いくところまで作る。そこからはアレンジしていったり、足りないパーツを補い合ったり、アイデアをぶつけ合ったり。
松任谷:『Eye』『Lip』はまったくカラーが違う作品だと思うけれど、これも最初から決めていた?
Nakajin:そうですね。『Eye』『Lip』という名前はFukaseのアイデアなんですけど、人って、目で語るものと口で語るもの両方あるよね、と。目は口ほどにものを言うときもあるけど、口を開いてやっと出てきた本音で気づくこともある。だからこの2種類を作ろうって。
松任谷:そういうストーリーだったんだ。
Nakajin:ここ最近、シングル曲にタイアップがあることも多くて「セカオワはお利口になったね」みたいに言われることもあるんですが、僕らはそういう部分ばっかりでもないし。
松任谷:僕は今回、失礼ながら、初めてちゃんと(SEKAI NO OWARIの音楽を)聴いたの。
Nakajin:光栄です。
松任谷:超ショックを受けたんです。
Nakajin:どういったショックですか?
松任谷:なんだろうな……「こいつら、どれほど自由なんだろう」って思って。
Nakajin:自由ですか?
松任谷:だって普通だったら怖くてできないことをやっちゃうじゃないですか。
Nakajin:やっちゃいますね。自由だと思います。
松任谷:「なんでそれができるんだろうな」って。今回のアルバムで完全に、ほかの同レベルのバンドに格の差を見せつけた感じがするよ。
Nakajin:それは……嬉しい話です。
松任谷:でも、自分でもそう思うでしょ? うまくいったって。
Nakajin:「そうです」とはちょっと言いづらいですけど(笑)。本当に自由に作ったという感覚は今回、強いです。自分たちのやりたいことを入れ込んだっていう感覚。
松任谷:なんかこう、遊んでるじゃないですか。
Nakajin:遊んでます。
松任谷:遊んでるくせにちゃんと核の部分があるじゃないですか。ただの実験、自己満足に終わっていない。そこのバランスがうまくとれているなって。ここまでバンドを続けてくることができた理由は? 相性?
Nakajin:うーん……相性がすごくいいかと言えば、そう言い切れないところも。なんか……「ちゃんと友達でい続けよう」という。友達であったときのことを忘れない努力。夏はキャンプ、冬はスキーとかをメンバーの誰かしらが企画して「いいね!」ってみんなで行く。毎日毎日仕事をするけれども、みんなでちょっと息抜きする瞬間は作るというか。
松任谷:それは暗黙のうちに?
Nakajin:そうですね。そういうことが、バンドを長続きさせてるんじゃないかなという気はしますけどね。
<番組概要>
番組名:松任谷正隆のおでかけラジオ
放送日時:毎週金曜19:30〜19:55
パーソナリティ:松任谷正隆
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/personality/view.php?id=85
Nakajinさんと松任谷正隆
松任谷:SEKAI NO OWARIの始まりは?
松任谷:DJとバンドというのが、今までは――。
Nakajin:いなかったですね。僕も、全然ピンときてなかったです。
松任谷:なんでDJだったの?
Nakajin:ドラムがいなかったからという1点でした。割とネガティブな理由で……。
松任谷:なるほどね。
Nakajin:当時は「ドラムやベースの迫力がない」とライブハウスの店長に言われたりすることもあって、悔し涙を流すことが多かったですね。自分たちの音楽には自信があったけど、バンドとして不完全に見られるのが……。
松任谷:自信がなかった?
Nakajin:色物と言えばそうだし、すごくかっこいい打ち込みができるわけでもなかったので……今でこそ(バンド内にDJがいることは)すごく長所のように思えるんですけど、最初は短所だなと思っていました。
松任谷:逆に自信があったところは?
Nakajin:歌のメロディーですかね。それはすごく大切にしてきたバンドだと思っていて。
松任谷:メロディーって一言で言っても、まあ、限られた世界のなかのものじゃないですか。
Nakajin:はい。
松任谷:どういうところに自信を持っていたんだろう?
Nakajin:うーん……自己判断ではあると思うんですけど、自分がいいメロディーだなって思えること。
松任谷:それは大事ですよね。
Nakajin:そうですね。当時はよく「オルゴールにしてもいい曲にしたい」と言っていました。
松任谷:ほお。
Nakajin:オルゴールって、メロディーに軽く伴奏をつけられる程度ですよね。「それでもちゃんといい曲になることが大事だよね」と、よくメンバーで話していました。
松任谷:それはすごいですね。そういうことを言う人、あまりいないと思うけれど。曲作りや曲選びはどうやっているんですか?
Nakajin:結構、“時代”によって――。
松任谷:もちろんそうだよね。
Nakajin:最新アルバム(『Eye』『Lip』)を作っていたのは去年だったんですけど、2枚出そうと最初から決めていたので、そのために3人のソングライター(Fukase、Saori、Nakajin)がそれぞれに曲を作るという感じでしたね。詞曲はまずそれぞれが完成させるっていうのが僕らのルール。(作詞者・作曲者のところに)名前がクレジットされるわけですから、責任を持って、それぞれが納得いくところまで作る。そこからはアレンジしていったり、足りないパーツを補い合ったり、アイデアをぶつけ合ったり。
松任谷:『Eye』『Lip』はまったくカラーが違う作品だと思うけれど、これも最初から決めていた?
Nakajin:そうですね。『Eye』『Lip』という名前はFukaseのアイデアなんですけど、人って、目で語るものと口で語るもの両方あるよね、と。目は口ほどにものを言うときもあるけど、口を開いてやっと出てきた本音で気づくこともある。だからこの2種類を作ろうって。
松任谷:そういうストーリーだったんだ。
Nakajin:ここ最近、シングル曲にタイアップがあることも多くて「セカオワはお利口になったね」みたいに言われることもあるんですが、僕らはそういう部分ばっかりでもないし。
松任谷:僕は今回、失礼ながら、初めてちゃんと(SEKAI NO OWARIの音楽を)聴いたの。
Nakajin:光栄です。
松任谷:超ショックを受けたんです。
Nakajin:どういったショックですか?
松任谷:なんだろうな……「こいつら、どれほど自由なんだろう」って思って。
Nakajin:自由ですか?
松任谷:だって普通だったら怖くてできないことをやっちゃうじゃないですか。
Nakajin:やっちゃいますね。自由だと思います。
松任谷:「なんでそれができるんだろうな」って。今回のアルバムで完全に、ほかの同レベルのバンドに格の差を見せつけた感じがするよ。
Nakajin:それは……嬉しい話です。
松任谷:でも、自分でもそう思うでしょ? うまくいったって。
Nakajin:「そうです」とはちょっと言いづらいですけど(笑)。本当に自由に作ったという感覚は今回、強いです。自分たちのやりたいことを入れ込んだっていう感覚。
松任谷:なんかこう、遊んでるじゃないですか。
Nakajin:遊んでます。
松任谷:遊んでるくせにちゃんと核の部分があるじゃないですか。ただの実験、自己満足に終わっていない。そこのバランスがうまくとれているなって。ここまでバンドを続けてくることができた理由は? 相性?
Nakajin:うーん……相性がすごくいいかと言えば、そう言い切れないところも。なんか……「ちゃんと友達でい続けよう」という。友達であったときのことを忘れない努力。夏はキャンプ、冬はスキーとかをメンバーの誰かしらが企画して「いいね!」ってみんなで行く。毎日毎日仕事をするけれども、みんなでちょっと息抜きする瞬間は作るというか。
松任谷:それは暗黙のうちに?
Nakajin:そうですね。そういうことが、バンドを長続きさせてるんじゃないかなという気はしますけどね。
<番組概要>
番組名:松任谷正隆のおでかけラジオ
放送日時:毎週金曜19:30〜19:55
パーソナリティ:松任谷正隆
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/personality/view.php?id=85