「ジュエリーアイス」をご存じですか。北海道の十勝地方、豊頃町の海岸に打ち寄せられる氷塊で、その氷は透明度が高く、クリスタルのような輝きを放ちます。白い流氷と違い、透き通った氷はまるでダイヤモンドのような美しさ。おととしあたりから国内外メディアから注目されています。十勝の海岸を覆いつくす自然の神秘「ジュエリーアイス」。11月には商標登録され、ますます注目度が高まっています。

クリスタルのような輝き


十勝川の氷が流れついて、海岸に打ち上げられる

十勝川の河口に位置する豊頃町の大津海岸。真冬になると、この海岸に、氷の塊「ジュエリーアイス」が打ち上がります。
十勝川は道央の十勝岳から太平洋に流れ出る一級河川で、気温が低くなると川の水面が凍ります。長い十勝川を流れてくる氷は、波にもまれて角が取れ、まるでクリスタルのような氷になって、大津海岸に流れつきます。
流れついた透明な氷は、太陽の光を浴びると、まるで宝石のように輝きます。また、夕陽をバックにすると、日中の輝きとは違った温かな色合いの氷を見ることができます。

透明度が高いジュエリーアイス


11月に「ジュエリーアイス」を商標登録。観光資源に

海に浮かぶ氷といえば、オホーツク海岸に押し寄せる流氷があります。流氷は、人が歩いて渡れるほどの大きな氷の塊が層になって流れてきたもので、色は白。一方、ジュエリーアイスは流氷と違って無色透明。この宝石のような透明な輝きが、「ジュエリーアイス」の名前の由来です。
豊頃町ではこの11月に、「〜氷の宝石〜Jewelry Ice ジュエリーアイス」の商標で特許庁に出願し、11月16日に商標登録が認められました。町では、ジュエリーアイスという名をアピールし、観光客の誘致につなげたいとしています。

海岸一面に打ち寄せられる


ジュエリーアイスの見ごろは1〜2月。国内外のメディアが注目

ジュエリーアイスは、2017年には週刊現代が「絶景日本遺産」として紹介したほか、アメリカのニューヨーク・タイムズも電子版で「ダイヤモンドのような氷が日本の海岸に」と大きく紹介しました。
その年の天候によって若干の違いはありますが、毎年おおよそ1月中旬〜2月下旬頃までの間、豊頃町大津にある十勝川河口付近の砂浜で見ることができます。しかし、今年は寒さが厳しいため、12月の今の時期に、すでに氷塊が訪れています。
1月になるとジュエリーアイスを見学するバスツアーも企画されています。真冬の海岸に打ち寄せられる、クリスタルのような氷塊。寒いからこそ美しい光景を一度見に行ってみませんか。
〈参考:豊頃町 「豊頃町の新絶景 ジュエリーアイス」〉
〈参考:十勝毎日新聞電子版 2018.11.29 「ジュエリーアイス 商標登録 豊頃」〉
〈参考:朝日新聞デジタル 2017.03.20 「ジュエリーアイス 一躍脚光」〉
自然が創り出した宝石のような氷塊。内外メディアが注目しているこの美しいジュエリーアイスを見ようと十勝を訪れる際は、万全の防寒対策をしたほうがいいでしょう。特に1月になると、十勝地方は気温が-20℃を下るときがあります。大げさなくらいのフル装備で見学しましょう。特にスマホは低温では充電の減りが早くなるので要注意です。

まるで宝石☆