「10人に1人」が社長、東京・港区の路上はまるで外車のショールーム?
東京商工リサーチが2017年にまとめた「社長の住む街ランキング」で、「10人に1人が社長」であることが明らかになった東京・港区。税理士ドットコムでは、「会社社長のお得アイテム『4年落ちの中古ベンツ』、なんで節税につながるの?」と題した記事など、高級車についての記事を複数公開しているが、社長といえば、やはりベンツという印象が強い。そこで実際に、東京・港区でもベンツだらけなのか、走っている車を調べてみた。
弁護士ドットコムニュースのスタッフ(神奈川県民、埼玉県民)2人が今回、調査地点に選んだのは、六本木のけやき坂(テレビ朝日本社の向かい側)と、その1本奥にある六本木さくら坂レジデンス付近の道路。主に港区の住民が乗る品川ナンバーの車を調べることにした(タクシー、運送会社などの業務用車を除く)。
10月13日(土)11時ごろ、秋の肌寒い空気の中、この2つの道路でウォッチを開始。直後から、たくさんの高級外車が通過していき、まるで外車のショールームといわんばかりの光景だった。
やはり目につくのはベンツだ。運転手は男性ばかりかと思いきや、レジデンスの付近だからか、意外に女性を見かける機会も多かった。
赤のベンツと青のベンツがすれ違う瞬間があり、絶妙なコントラストをなしていて、港区ならではの風景だった。
時には爆音を流しながら迫ってくる車も。紺色のランボルギーニだ。いわゆる「港区おじさん」風のイケイケ男性が、若い女性を乗せて、颯爽と過ぎ去っていった。
歩行者の着ている服は意外と普通だが、通りかかる自転車が電動自転車ばかりだったり、外国人がやたらと多かったりと、一般的な住宅街では見かけない光景がそこにはあった。
●「4台に1台」がベンツ、BMWやポルシェ、アウディも多数結局、14時30分までの2時間半で全体が150台に達するまで観察してみた。
150台のうち、外車は84台で、全体の半数を超える結果になった。そのうち、ベンツは34台で、全体の23%ほどになる。「10人に1人が社長」という街にふさわしい結果かどうかはわからないが、この地点に限っては、一般的な道路よりも圧倒的に多いベンツが走っているようだ。
他には、BMW10台、ポルシェ9台、アウディ7台、フォルクスワーゲン2台、ロールスロイス1台、ランボルギーニ1台、シトロエン1台、マイバッハ1台、マセラティ1台、ジャガー1台ということで、高級外車が揃い踏みという感じだった。
あくまで1地点だけの調査で、これが港区全体を代表していえるものではないが、傾向を知るうえでは参考になるだろう。
国産でも、トヨタのレクサスなどが多く、業務用を除いて、軽自動車(黄色いナンバー)を見かける機会は一度もなかった。
ちなみに、日本自動車販売協会連合会が発表している全国の新車販売台数(2018年9月)を見ると、乗用車計40万4057台のうち、ベンツは7016台で、シェアはわずか1.7%。この数字と比較すると、今回ウォッチした光景は異常としか言いようがない。
●タクシーに煽られる「初心者」プジョー「社長の住む街ランキング」では、町村ベースで、港区赤坂が最も人数が多い(2488人)とされている。そこで、港区赤坂の1地点も追加で調べてみた。高級マンションが立ち並ぶ檜坂の近くで10月19日(金)15時から1時間程度ウォッチしてみた。周辺は大使館などもあり、外国人の通行も多い。
通過する品川ナンバーの車を調べたところ、結果は100台のうち、外車が41台で、うちベンツが15台だった。ド派手な黄色のランボルギーニが通り抜けるなど、相変わらずの光景だ。
初心者マークをつけたプジョーがおぼつかない運転で後続のタクシーに煽られており、「初心者でもプジョー」というこのエリアならではのリッチさを見せつけていた。
(弁護士ドットコムニュース)