10月24日放送『北野誠のズバリ』、水曜日は「ズバリ法律相談室」。オリンピア法律事務所の弁護士さんが、身近な法律に関する疑問・質問・お悩みを解決します。今回は原武之先生が、マンションの住人がよく抱えそうな問題について、回答します。

隣のベランダからタバコの煙が

今回、番組宛てに届いたお悩みは、次のとおりです。

「マンション住まいの我が家です。先日、隣に引っ越してきた方が、ベランダでタバコを吸うので困っています。我が家でタバコを吸う人はいませんし、前のお隣さんもタバコを吸わない方でした。
洗濯物に臭いが付くし、窓を開けていると部屋に臭いが入り込んでくるので、せっかくの秋の天気が良い日でも窓を閉め続けています。どのように伝えれば、お隣さんとトラブルにならないのでしょうか。

少し前に大家さんに伝えたところ、おそらく電子タバコに変えたようで、臭いは減りましたが、少しの臭いでも気になってしまったら、窓を閉めなければならない状況です。
なかなか引っ越しも難しいですし、これって罪にならないのでしょうか。そもそも、受動喫煙防止法ってありませんでした?」(Aさん)

タバコに限らず、強い臭いが流れてきてしまうと、近所トラブルになりがちですね。

慰謝料が払われるケースはあるが…

外での喫煙スペースはある程度制限されるようになってきましたが、果たして住宅で制限されるようなことはあるのでしょうか。

原先生は、「直接法律で規制しているものはないですけど、裁判例ではベランダで喫煙していて、精神的苦痛を受けたとして、5万円の慰謝料が認められたという例があります」と説明しました。

ただ、この判例では、注意したにもかかわらず吸い続けていたことや、量が多かったこともありますが、今回は注意を受けて電子タバコに変えられたので、改善しようという行動に移されているからか、慰謝料は認められない可能性があるとのことですが……。

北野はここで「僕も電子タバコに変えた時、喫煙ルームで他の人のタバコの臭い、嫌ですからね」と正直に告白。それだけ電子タバコに変えると臭いが減らせるようですが、一度気になりだすと、イライラは募るようです。

ベランダ喫煙は法律で規制できる?

そもそも、マンションのベランダはプライベートなスペースなのでしょうか。

ベランダは「専用所有権が認められている共有部分」とのことで、どちらとも取れそうですが、専有スペースという観点から、規制をかけるのは難しいのだそうです。

法律の話で言えば、すでに受動喫煙防止のための法律がありますが、こちらは住宅や旅館、ホテルの客室などを除くすべての場所を対象としていますので、マンションは対象外になります。

2020年に向けてさらに条例などで喫煙者には厳しくなりそうですが、あくまでも公共のスペースでのみ適用されるというわけです。

従って、お隣の方にベランダでの禁煙を強制したり、罰金を設けることはできないようですが、原先生は折衷案として「洗濯物を干している時間帯だけは、吸わないで欲しい」などとお願いするなどしかないようだとまとめました。
(岡本)
 

北野誠のズバリ
2018年10月24日14時13分〜抜粋(Radikoタイムフリー)