この鳴き声は何の虫? 鳴き声に注目した「昆虫図鑑」

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「リーンリーン」と、コオロギやスズムシの鳴き声が聞こえてくると秋を感じるもの。普段何気なく虫の鳴き声だが、同じコオロギでも鳴き方に種類があったりと、虫の鳴き声の世界は奥深い。

そんな虫の鳴き声に注目した本が、『鳴き声から調べる昆虫図鑑ーおぼえておきたい75種 パソコン用CD付き』(高嶋清明著、文一総合出版刊)だ。
本書は、スズムシやコオロギ、バッタ、セミなど、身近な昆虫75種を取り上げ、鳴き声に特化して解説する一冊。虫の鳴き声を録音する方法や音声ソフトで音を調べる方法など、虫の声を楽しむポイントを紹介している。また、付属のパソコン用CDには、1種につき1〜4声、合計180以上の声を収録。鳴き声に特化した解説と共に誰でも手軽に虫たちの声を覚えることができる。

日本人には昔から「虫の声を愛でる心」がある。古くは万葉集に虫の音をテーマにした和歌が数多く見られ、江戸時代には虫売りが大流行。虫の音を楽しむ文化は世界中を見ても、中国、台湾、そして日本だけと言われている。

今の時期によく聞く鳴き声はエンマコオロギだろう。本書によると、エンマコオロギは北海道〜九州に分布し、7月〜11月に活動する。草原や畑、人家の庭など、さまざまな環境に見られ、昼も夜も鳴く。
「呼び鳴き」と呼ばれるなわばり宣言の鳴き声は「コロリコロリッリッリー」と同じ調子で、メスに鳴きながら近づくときの「誘い鳴き」は「コロコロリーーー」と「リー」の部分を長く伸ばし、やわらかい声に変わる。
注意して聴いてみることで、鳴き方のバリエーションがわかるはずだ。

本書と付属CDで鳴き声を聴いておくと、外を歩くのも楽しくなるだろう。虫の鳴き声を聴きながら、散歩をしてみるのもいいかもしれない。

(新刊JP編集部)

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