現役時代さながらのリーダーシップでチームを統率するシセ監督は、日本との“違い”を語った。 (C) Getty Images

写真拡大

 現地6月24日、ロシア・ワールドカップのグループリーグ第2戦で、日本代表はセネガル代表と対戦する。

 相手に対し「肉体的な強さ、速さだけじゃない。非常にチームとしてオーガナイズされている」と危機感を強めた西野朗監督に対して、セネガルのアリウ・シセ監督も日本への警戒を強めている。地元メディア『SENEGO』が前日会見の模様を伝えた。

 締まった表情のシセ監督は、初戦でコロンビアを撃破した日本に対するイメージを問われ、「連動性もボールテクニックもあるし、プレーの仕方をよく知っている」と返答。さらに、「間違いなく厳しい試合になる」とも語った。

「日本は、とても素晴らしいチームだ。優れたパススキルを持っていて、ディフェンスでも激しいプレスをかけてくる。だから、我々にとっては楽な試合ではない。彼らには素晴らしい選手がいて、素晴らしい組織がある。しかし、セネガルもそうだ」

 グループ初戦でポーランドと対戦したセネガルは、試合の主導権を握ると、相手のオウンゴールとエムバイ・ニアングの得点で2-1と勝利。東欧の雄を撃破できたのは、アフリカ特有のフィジカル的要素もさることながら、それ以上に攻守における組織力によるものが大きいと言えた。

 ポーランド戦勝利に手応えを掴んだシセ監督は、「セネガルにも規律はあるんだ」と訴える。

「よく、アフリカ勢には規律がないと言われるが、そんなことはない。だが、一口に規律と言っても、戦術的な規律、ピッチ外での規律など様々だ。セネガルの選手にも、十分な規律があるよ。試合でも、トレーニングでもね。日本は多くの選手が母国でプレーするかもしれないが、我々は少し違う。選手は皆、欧州で磨かれて、素早く戦術を理解できる能力を持っているんだ。明日はそれをお見せしよう」

 現役時代にはセネガル代表のキャプテンとしてチームを統率した“英雄”でもあるシセ監督は、2002年の日韓大会の開幕戦で、当時の世界王者フランスを撃破し、初出場にしてベスト8進出を果たし、勝ち方を知っている。そんな指揮官に束ねられたチームは、「歴史に名を残したいと、やる気に満ちている」という。

 日本戦に勝てば、セネガルは2連勝となり、グループステージ突破へ大きく前進する。となれば、おのずと16年前に巻き起こしたセンセーショナルな躍進を再現できる可能性が膨らむ。

 コロンビアに勝利して勢い乗る西野ジャパンだが、アフリカを代表する精鋭たちが揃うセネガルは、決勝トーナメント進出を果たす上で、高くて分厚い壁となりそうだ。