公道を軽やかに走る「お騒がせ」カート「マリカー」、税金も軽い?
公道カート「マリカー」は相次ぐ事故で危険性を指摘され、任天堂から著作権侵害などの訴訟を起こされながらも、東京や大阪の街中を疾走している。マリオやルイージなどのコスチュームに身を包む外国人観光客らにとっては、「どこ吹く風」なのかもしれない。
そんなマリカーも、税金には真摯に向き合っているはずだが、どれくらい支払っているのだろうか。運営会社のホームページによると、マリカーのショップは、東京では秋葉原や品川など数カ所ある。そこで、区役所の税務担当に、税金の取り扱いについて聞いてみた。
マリカーの排気量は49.3cc。ある区役所の税務担当によると、マリカーは、「総排気量が20cc超ー50cc以下のもの」で、「原動機付き自転車、三輪以上のもの」という位置づけだ。
原動機付き自転車にかかる軽自動車税は、2000円から3700円まで区分が分かれているが、このうち最も高い3700円が毎年4月1日時点での所有者にかかるという。何台所有しているかは不明だが、連なって疾走している様子からはかなり多く所有していてもおかしくない。
仮に、保有台数が10台なら3万7000円。例えばトヨタのプリウス(排気量1.8リットル)は登録翌年度の減税などを考慮しなければ、1台で3万9500円の自動車税がかかる。単純比較は難しいが、普通乗用車などにかかる自動車税と比べれば、マリカーの税負担は軽めだと言えそうだ。
ちなみに、損害保険料率算出機構によると、自賠責保険(12カ月契約)は、マリカーが該当する「原動機付き自転車」は7500円。一方、自家用乗用車は1万5520円。マリカーだから特別というわけではないが、こちらも負担は軽くなっている。
マリカーはHPで次のようなコメントを掲げている。
「『マリカー』は公道上でゴーカートを運転して観光する、健全な観光アクティビティです。ゲーム『マリオカート』とは無関係で全くの別物です。ですから、公道上でレースを行うことはできません。バナナの皮等のゴミを公道に投げ捨てることもできません。
ましてや、赤い亀の甲羅などの物品をお互いに投げ合うこともできません。マリカーでの楽しい体験は、日本での忘れることのできない一生物の思い出になるでしょう。私たちは、お客様が安全に楽しんでいただけるよう、安全を最優先に運営を行っております。ご協力に感謝します」
(弁護士ドットコムニュース)