星野仙一氏(写真:Getty Images)

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1月に亡くなった星野仙一氏のお別れ会が、19日に都内で開かれた。25日放送、テレビ東京「追跡LIVE! Sports ウォッチャー」では、東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大が星野氏への想いを語っている。

少年時代に阪神タイガースのファンだった則本は、「阪神の星野監督がすごい好きで、好きな監督ナンバーワン」だったという。低迷していた阪神を優勝に導いた星野氏の虜となり、闘志むき出しの投球スタイルの原点も同氏にあった。

星野氏もその闘志にほれ込み、楽天を率いていた2012年のドラフトで則本を2位指名。則本は「星野さんが楽天の監督でなければ、プロ野球選手としての僕はいない。ここまで成績を残すことができたのも、星野さんの元で野球をやったから」と感謝を口にしている。

1年目から開幕投手を務めた則本は、15勝8敗で新人王を受賞し、球団初のリーグ優勝・日本一に貢献。それでも、厳しい態度を貫いた星野氏だったが、則本が2014年9月に球団最多となる7度目の完封勝利を挙げると、インタビューで「本当にエースのピッチングだった」と称賛した。

シーズン中に「一度もほめられたことがなかった」という則本は、インタビューでの星野氏のコメントをテレビで知り「すごいうれしかった」。そして「勝ちへの執念、どういう姿勢で試合に臨まないといけないのかというのは、星野監督から教わった。それを受け継いでいかないと」続けた。

一緒に戦ったのはわずか2年だったが、星野氏と則本の師弟関係が途切れることはなかった。星野氏がいかに則本を気にかけていたかが分かるのが、昨年10月の番組出演時に星野氏が口にした田中将大のメジャー移籍に関するコメントだ。

「(田中の移籍は)監督としてつらいけど、あいつの夢だし、目標だから、『日本一になったらオレは後押ししてやる』と。『オレがオーナーと話するから』と」

じつは、星野氏はこのコメントに、メジャーを夢見る則本へのメッセージを込めていた。番組終了後にそうスタッフに明かしていたという。則本なら、夢を全力で応援するということだ。

則本は「本当に感謝しかないですし、まだまだ感謝してもしきれないので、なんとか結果を残して少しでも恩返ししていきたいと思っています。絶対に見ていると思うので。見ていてダメなところがあったら、叱ってくると思うので。星野さんならどこかからメッセージを届けてきそうな感じがするので。できるだけほめられるメッセージをもらえるように頑張りたい」と改めて意気込んだ。