クラブでも代表でも存在感を増している長谷川。新なでしこジャパンの旗手となるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本サッカー協会は10月11日、MS&ADカップのスイス戦(10月22日/長野Uスタジアム)に向けた日本女子代表のメンバー23名を発表した。
 
 キャプテンの熊谷紗希、今季なでしこリーグMVPの阪口夢穂、約7か月ぶりに代表復帰した岩渕真奈など好タレントが揃うが、特に注目したいのは、MF長谷川唯だ。
 
 現在20歳の長谷川は、今年3月のアルガルベカップで初招集されると、同大会の初戦スペイン戦でデビュー。続くアイスランド戦では2ゴールを決めて鮮烈なインパクトを残した。その後は招集メンバーから一度も外れることなく、以降の全10試合に出場。優れたパスセンスを武器に、いまや主力に定着したのだ。
 
 本人も「今まで今年1年間やってきて、いろんな選手の特長が掴めてきた」と手応えを語っている。
 
 ゲームメイクに定評のある新鋭MFは、さらに無尽蔵のスタミナもストロングポイントのひとつだ。「私の特長は、攻守に渡って運動量で負けないこと。今はサイドハーフをやっていて、1対1の局面でボールを取り切ることを意識している」という。
 
 得点、アシストにも絡みながら、守備にも走れる豊富な運動量は、レジェンド澤穂希に通ずるものがある。
 
 さらに、所属クラブでの活躍も目覚ましい。今季のなでしこリーグでは、所属する日テレ・ベレーザのリーグ3連覇に貢献。自身初のベストイレブンにも選出され、まさに充実の一途を辿っている。
 
 それでも長谷川に慢心はないようだ。「自分の特長をもっと出していかなきゃいけない。今まではリーグ戦があって、そこでアピールすることで代表にも呼ばれていた。ここからはリーグ戦もなくなるので、代表に行った時に結果を残さなければいけない。目に見える結果、得点とアシストを残したい」と意気込む。
 
 澤というレジェンドの後継者になり得る逸材――。スイス戦でその才能を発揮できるか。長谷川の活躍に期待したい。
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWeb)