海外旅行では要注意! 日本ではOKでも海外ではNGなマナー違反12選
日本ではごく普通だけど、海外ではマナー違反なこと。実は意外とたくさんあるんです。これを知らずに旅行などへ行くと、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。そこで、今回は日本人がよくやってしまいがちなマナー違反を12個ご紹介します。海外旅行や留学前の予備知識として、ぜひチェックしてみてください。
■海外だととんでもない意味に NGな仕草
日本の仕草として代表的なのが、人ごみを抜けるときに手刀を切りながら「どうもどうも」などと切り込んで行くこと。海外から見ると、「あれは何だろう?」と疑問に思われることが多いようです。ここでは、そんな海外でやってはいけない仕草をご紹介します。
1.鼻をすする
風邪を引いたときなどに鼻を「ズズー」っとすすり上げるのはNG!特にヨーロッパ方面では、かなり不愉快な印象を与えてしまいます。では、鼻水が止まらないときはどうしたら良いのか。これはティッシュではなく、ハンカチでぬぐうのが一般的です。
2.くしゃみをしたら「エクスキューズ ミー」
主にヨーロッパの習慣ですが、くしゃみをしたら即座に「 エクスキューズ ミー」と小声で言いましょう。マナー違反というほど厳密なものではありませんが、言わないと違和感があるという程度です。ちなみにトルコでは、くしゃみをしたら周りがすかさず「チョク ヤシャー(どうぞ長生きを)」と言ってくれるそうですよ。
3.手招き
日本では、手の甲を上にして「おいでおいで」としますよね。でも海外では、これが「あっちいけ」を意味することがほとんど。来て欲しいときは、手の甲を下にして「クイクイ」と手前に引きます。ちょっと挑戦的なイメージがありますが、これが普通です。
4.小指を立てる
日本では俗に「関係の深い女性」を意味する「小指を立てる」ですが、インドでは「オシッコ」を意味します。さすがに今の若い人でこのジェスチャーをする人は少なくなったようですが、小指を立てて「ここに行きたいです」というと、お互い誤解を与えますので注意しましょう。
■食文化の違いを知ろう
日本は四方を海に囲まれ、海産物の豊かな国です。しかし例えば納豆のように、同じ日本人でも好みが分かれる食事があります。海外の食文化の違いを知っていた方が何かと便利です。
5.お酒に寛容なヨーロッパ、厳しい中東
ヨーロッパでは水事情が悪かった所為もあり、お酒はともするとミネラルウォーターよりも安い価格で売られている身近な存在です。日本もお神酒という文化があるように、お酒は豊穣の証しで神様に供えることのできる神聖な水。しかしイスラム圏の多くでは、「酒は悪魔の水」としてほとんど飲まない人達もいます。ハラールと呼ばれる禁忌では、酒を使った料理はNG。厳密な意味では、今の日本の味噌や醤油、みりんも、トマトソースに入れるワインもNGとなります。海外のお客様をもてなす際は気をつけましょう。
6.女性がお酒を注いであげるのはアノ職業だけ?
日本では、会社の宴席などで女性が上司にお酒を注いで差し上げるのがひとつの形になっています。しかし、これは日本人社会だけで留めておいた方が無難です。欧米では自分で注ぐ手酌か、その場のホストが注いで下さるもの。女性は笑顔でそれを頂く側で、女性が同席者へお酒を注ぐのは「夜のご商売の人」というイメージがあります。そのため、外国人女性にお酌を求めるのは、大変な屈辱ととられる場合がありますので気をつけましょう。
7.ベジタリアンとノンベジタリアン
日本人は、おそらく多くがノンベジタリアンでしょう。「何でも美味しくいただきなさい」「食べ物を粗末にしてはいけません」という教育の結果だと思いますが、海外ではそうはいかない場合が多くあります。昨今ITで注目されるインドでは、12億人のおよそ6割がベジタリアンとされています。その理由は、「肉は不浄」「肉を食べると体が熱くなり、怒りが生まれるので平和が壊れる」というヒンドゥ教の宗教観に基づいたもの。その他、欧米などでも地球環境や、自らの信念によってベジタリアンになった人が多くいます。
ヒンドゥ教の場合、肉を取り除けばいいのではなく、肉を触った食器はもう穢れてしまってアウトという厳しいもの。そのため、海外の人と会食の機会があった場合は先方の宗教を確認することが必須です。宗教を確認するのは日本人にとって少々タブーなイメージがありますが、会食の際にその人だけ何も食べるものがない方がよっぽどNG。ただし、中には「外国だからある程度は仕方ない。」と妥協してくださる方もいます。
8.ナプキンはぐしゃっと
レストランで席に用意されたひざに置くナプキン。これは口元や指をふいたりして遠慮なく使い汚して良いものです。会計を済ませ、席を立つ時に几帳面な日本人はきちんと四角にたたんで戻す方もいますが、これは「不味かった。二度と来ない」という意味なので気をつけましょう。ではどうするのかと言うと、そのくしゃっとしたままテーブルに置いて構いません。
■これだけ違う宗教観
先述しましたが、海外のマナーと宗教はもう切っても切れない関係です。海外旅行の時も知っていると知らないとでは雲泥の差。場合によっては「知らなかった」では済まされない場合もあるため、充分に注意する必要があります。
9.殿方を惑わせてはいけない
特にイスラム圏に多いのですが、肌を露出する服装は避けましょう。これはイスラムの教えで「人はすぐにハマってしまう弱い生き物なのでドキドキするものは隠した方がいい」というもの。国によって差があり、タンクトップすがたの女性も多く見られる国もあります。それでも、宗教施設に入るときはスカーフで髪や肩を隠すのが通常です。これは男性のハーフパンツもしかり。宗教施設へ入るときは、きちんと長いパンツを履きましょう。タイやインドも同様。旅行させて頂いてるのはこちらの方なので、他国の神様を冒涜する事は控えましょう。
10.子どもの頭を触ってはいけない
アジアは一般に子どもをベタベタに可愛がり、「神様からの授かりもの」として短くも愛おしい時間を大切にしようとします。しかしこれに対し、欧米は「子供は未完成なもの」というイメージがあり、大人とは一線を引きます。レストランで、子どもが同席できないお店が多いのはそのためでもあるのです。タイでは子どもの頭は神様が宿る大切な場所とされ、他人がむやみに頭をなでてはいけません。とはいえ、タイ大使館のwebサイトを見ると、「小さな子どもの頭をなでてかわいがるのは問題ありません。」とあります。逆に、大人の頭を触る方が問題があるようです。
■その他のマナー違反はこんなこと
11.地下鉄は撮影禁止
これは有事の際に軍事利用するので、機密を外に漏らさないようにするため。ロンドンやモスクワ、インド、中国など、撮影禁止の国や街がたくさんあります。構内を警察や軍人がパトロールしていることも。見つかるとその場でデータ消去など、笑えない展開になりますので注意しましょう。空港が撮影禁止の国も同様です。
12.公式文書は青いペンで
海外で手紙を書いたりサインしたりと、ペンを使う機会がある場合はインクの色に注意しましょう。欧米ではブルーインクのボールペンが主流。日本の黒インクだと、「これ、ホントはコピーなんじゃないの?」と誤解を受けてしまうこともあります。これは文化の差で、ペンにインクを使う文化の欧米はブルーインクが公式。筆で墨を使う中国日本は黒が公式だからです。学校の試験も同様で、鉛筆で受ける日本の学校に対し、ブルーのボールペン限定なのが欧米。尚、インドもイギリスの影響でブルーインクが公式です。海外の銀行や公の文書にサインするときなどは、青インクも用意しましょう。
場所によって、マナーには随分と違いがあります。しかしちょっと気をつけるだけで、お互いが気持ちよく過ごせるはず。ぜひ参考にして下さいね。
執筆者:浦辺あずみ(ナレッジ・リンクス)