インスタグラムの有名人広告は600億円規模 「インチキ商法」批判も

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美容効果があるとされ、一部の女性たちから注目を集める健康茶のジャンルが「デトックスティー」だ。

この分野の大手、Flat Tummyはインスタグラムの広告に力を入れ、「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」で知られるキム・カーダシアンを筆頭に、リアリティ番組のスターやモデルらをインフルエンサーとして起用。この半年だけでも100万ドル(約1億1,000万円)近くを広告に投入した。関係者によると、1件の投稿あたりの報酬は1万〜3万ドルに及ぶという。

競合メーカーのFit TeaやBootea、 SkinnyMint Teaらも同様にセレブに広告を展開中だがFlat Tummyほどあからさまではない。

インスタグラムに特化したマーケティング会社Dash Hudsonの共同創業者兼CEOのトーマス・ランキンは「有名人を起用するインフルエンサー・マーケティングは、広告の世界の定番手法になった」と語る。

600億円が投じられるインフルエンサー広告

市場調査会社eMarketerは、インスタグラムのインフルエンサー・マーケティングにブランドが今年投じた金額を5億7,170万ドル(約633億円)と見込む。消費者は目にした投稿を拡散することを助け、”teatox”のハッシュタグがついたインスタグラムの投稿は55万件近くに及んでいる。

eMarketerの主任アナリストは「大手の消費財企業が伝統的な広告に重点を置いている一方で、新興のデジタル企業は従来のマーケティング手法にとらわれない」と語った。

Flat Tummyも実質的にはデジタル企業と言える。ありふれた原材料で作っているため、製品のコストは低く、収益のかなりの部分をマーケティングに注ぎ込んでいると見られる。

ウェブサイトの説明書きを隅々まで読めば、そのお茶に体重を落とす効果はないのは明らかだ。ペパーミントやルバーブ、カルダモン、緑茶と言ったどこにでもある原材料をミックスさせた製品について、ジョーンズ・ホプキンス医大のスティーブン・ザルツベルク教授は「これは科学的根拠がない、期待を持たせる言葉を並べた、非常に高価な”単なるお茶”だ」と述べた。

古典的インチキ商法との指摘も

ザルツベルクは「古典的なインチキ商法だが、ウェブサイトでは、病気を診断、治療、緩和するものではないと付記するなど、法的リスクを巧妙に回避している」と付け加えた。

セレブは投稿に注意書きを入れる必要はない。だが、入れたとしても同じだろう。消費者の大半は小さな字で書かれた注意書きまでは読まないし、それを正しく解釈できるだけの科学的知識は持ち合わせていないのだから。

米連邦取引委員会の規則に則って、投稿の多くには広告を示すハッシュタグが付けられている。しかしこれらのインスタグラムの投稿を分析した専門家は、「投稿の効果についてそれほど影響を与えるものではない」と指摘した。

スターたちがその製品を実際に使っているかは重要ではないようだ。カーダシアン一家のクロエ・カーダシアンはFlat Tummyのお茶をほめちぎる投稿の数週間前に、競合のFit Teaについても似たような投稿をしていた。彼女たち自身、製品についてよく知らないと思われる。

Instagramの広告売上は今年15億ドルを超え、2017年には28億ドル(約3,100億円)に届くと予想されている。