2ボランチは、キャプテンの長谷部は鉄板として、その相棒には、「ここ最近、すべての面で向上している」とハリルホジッチ監督が厚い信頼を寄せる柏木陽介を組ませるはず。セットプレーのキッカーとしても重要な存在だ。他の候補者となる遠藤航や大島僚太は、ポテンシャルは高いと言えども、まだ先発を勝ち取るまでのインパクトは放てていない。
 
 香川真司と清武弘嗣が争うトップ下は、実績を重視して香川を予想。ハリルホジッチ監督の「(清武には)香川と競争してほしい」という“表現”を考慮しても、序列ではまだ香川のほうが上のはずだ。
 
 CFは、代表通算50得点まであとふたつに迫った岡崎だろう。メンバー発表の席で「どんなフィジカル状態で、プレーできる状況かは分からない」と指揮官は懸念していたが、前日練習後の岡崎の表情を見る限り、疲れはなさそうでコンディションは整っているようだ。
 
 左ウイングは、Jリーグでしばらくゴールから遠ざかるなど、不調が続く宇佐美貴史より、昨季はヘルタ・ベルリンで充実したシーズンを送り、その流れで合流した原口元気を推したい。
 
 右ウイングは本田の定位置だが、背番号4は左膝裏の負傷で欠場は不可避。その代役として、同ポジションの二番手と見られる小林悠が“昇格”するだろう。ハリルホジッチ監督は「圭佑とは違うタイプの選手がプレーします」と明言しており、裏を突く動き出しに長け、アジリティに優れる小林は、まさしく“圭佑とは違うタイプの選手”と言える。
 
 指揮官は本田について「トレーニングで素晴らしいパフォーマンスを見せていただけに、本当にプレーしてほしかった」とコメント。ただ、本田不在は最終予選でも当然、考えられる事態であり、その意味では、ブルガリア戦は貴重なモデルケースになるとも言える。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)