「HUAWEI Mate S」

ファーウェイ・ジャパンは2015年11月26日、SIMフリースマートフォン(スマホ)の新モデル「HUAWEI Mate S」を12月4日に発売すると発表した。フルメタルボディに5.5型の有機ELディスプレイやオクタコアCPUを搭載した高性能なモデルだ。SIMフリースマホは、2万〜3万円の比較的手ごろな価格のモデルの人気が高いが、本モデルの市場想定価格は79,800円前後(税別)。大手携帯電話会社のモデルとほとんど変わらない価格設定となっている。高性能でプレミアムなSIMフリーモデルがどこまで受け入れられるのか注目だ。

コンパクトで持ちやすいフルメタルボディ

HUAWEI Mate Sは、今年2015年9月にドイツで開催された欧州最大の家電見本市「IFA 2015」で発表した同社のフラッグシップ(旗艦)モデルだ。サテン仕上げを施したフルメタルボディに、5.5型の有機ELディスプレイを搭載する。本体サイズは約75.3(幅)×149.8(高さ)×2.65〜7.2(厚さ)mm、重量は約156g。側面のエッジにはダイヤモンド加工を施し、背面を緩やかにカーブした形状にすることで、持ちやすさにこだわった。実物は非常に軽く、5.5型のディスプレイを搭載したスマホとしては、コンパクトに感じられた。金属ならでは質感の高さもあり、2万〜3万円のSIMフリースマホとは違う、プレミアムなモデルであることがすぐにわかる。本体は薄型だが、バッテリーを本体の形に合わせたステップ形状にすることで、2700mAhの大容量バッテリーを搭載する。

5.5型の有機ELディスプレイの解像度は1080×1920のフルHD。有機ELならではの180万:1の高コントラストを実現する。「2.5Dスクリーン」と呼ばれるコーニング社の「第4世代ゴリラガラス」を採用するのも特徴だ。ディスプレイの端がラウンドしており、強度と持ちやすさを両立している。

基本スペックは、CPUにHisilicon製の「Kirin 935」を採用。2.2GHzで駆動する高性能コア4基と1.5GHzで駆動する省電力コア4基で構成されるオクタコアCPUだ。メモリーは3GB、ストレージは32GBで、他社の高性能スマホと比べてもそん色のないスペックとなっている。OSは「Android 5.1 Lollipop」で、ユーザーインターフェイス(UI)には独自の「Emotion UI 3.1」を搭載。対応バンドはLTEがB1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/40、3G(UMTS)はB1/2/4/5/6/8/19。GSMの850/900/1800/1900MHz帯もサポートする。NTTドコモとソフトバンクの主要な周波数帯をカバーしており、LTEの通信速度は下り最大150Mbps、上り最大50Mbps。SIMカードのサイズはnanoSIM。

無線LANはIEEE802.11b/g/nに準拠。Bluetooth v4.1 BLE、NFCなどを備える。最大128GBまでのmicroSDカードもサポートする。カラーバリエーションは、ミスティックシャンパン、チタニウムグレー、ローズゴールドの3色。

5.5型の大画面ディスプレイを搭載するが、狭額縁デザインによってコンパクトなサイズを実現

5.5型の大画面ディスプレイを搭載するが、狭額縁デザインによってコンパクトなサイズを実現

サテン仕上げのフルメタルボディ。写真はミスティックシャンパンモデル

サテン仕上げのフルメタルボディ。写真はミスティックシャンパンモデル

ダイヤモンド加工を施したエッジ部分。第4世代ゴリラガラスもラウンドエッジ加工が施されている。柔らかなフォルムで持ちやすい

多機能な指紋センサーや関節で操作する独自の「ナックルセンス・テクノロジー」を搭載

使い勝手の面では、背面に指紋センサーを搭載するのが特徴だ。最新のセンサーを採用することで、認証スピードと感度がアップしているという。ロックの解除だけでなく、タッチパッドのように指紋センサー上で指を滑らせることで、さまざまな操作ができる。上下スライドで通知エリアの開閉、ダブルタップで通知のクリア(消去)、左右スライドで写真閲覧アプリ「ギャラリー」のナビゲーションといったことができる。長押しするとカメラのシャッターも切れるなど、多機能だ。

メインカメラの下にタッチパッドのように使える指紋センサーを搭載

メインカメラの下にタッチパッドのように使える指紋センサーを搭載

また、ユニークな機能として「ナックルセンス・テクノロジー」を搭載。これは、指の関節部で画面をタップして、さまざまな操作ができるというもの。たとえば、2本指の関節でノックのようにトントンと画面を叩くと、画面の動きを動画として録画(キャプチャ)できる。関節でアルファベットを書くと、指定したアプリが起動する「ナックルジェスチャー」という機能も備える。Mと書けば「音楽」、Cと書くと「カメラ」、Wと書くと「天気」といった具合だ。指で操作するときのように指紋や汚れが付きにくいのもナックルセンス・テクノロジーのメリットだ。

関節でコンコンと画面を叩くと、画面を動画で録画できる

関節でコンコンと画面を叩くと、画面を動画で録画できる

関節でハートを書くと、画面の一部を切り抜いて、スタンプなどに使える

関節でハートを書くと、画面の一部を切り抜いて、スタンプなどに使える

メインカメラは1300万画素、インカメラは800万画素。メインカメラには、RGBWの4色イメージセンサーや光学手ブレ補正、専用画像処理プロセッサーを備える。レンズは透過率が高く、傷に強いサファイアプロテクターで保護している。ISOやシャッタースピードを細かく設定できる「プロカメラモード」を搭載するなど、カメラ機能は充実している。

ISOやシャッタースピードを細かく設定できるプロカメラモード

ISOやシャッタースピードを細かく設定できるプロカメラモード

ヘッドセットやケースが付属する(写真は海外モデルの付属品)

ヘッドセットやケースが付属する(写真は海外モデルの付属品)

楽天モバイルはキャンペーンで15,000円引き

利用者が通信キャリアを自由に選べるSIMフリースマホは、MVNOの提供する「格安SIM」と組み合わせることで、大手携帯電話会社よりも通信費を安く抑えられることから人気が高まっている。同市場で存在感が強いのがファーウェイやASUSといった海外メーカーだ。ファーウェイは7機種ものSIMフリースマホを国内市場で展開しており、多くのMVNOが同社のモデルを採用している。25日に東京都内で開催した新製品発表会では、同社のデバイス・プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏が、「ファーウェイが日本のSIMフリー市場をけん引している。今後もラインアップの拡充やブランド認知度の向上に力を入れていく」と語った。

なお、HUAWEI Mate Sを取り扱う楽天モバイルでは、2016年1月15日まで台数限定で15,000円を割引くキャンペーンを実施。一括支払いの場合は64,800円(税別)、24回分割払いの場合は月額2,916円(税込)。

ファーウェイ・ジャパンの呉波(ゴ・ハ)氏

ファーウェイ・ジャパンの呉波(ゴ・ハ)氏

HUAWEI Mate Sを取り扱う楽天モバイルでは、台数限定で15,000円を割引くキャンペーンを実施する

HUAWEI Mate Sを取り扱う楽天モバイルでは、台数限定で15,000円を割引くキャンペーンを実施する

発表会には道端アンジェリカさんがゲストとして登場した

発表会には道端アンジェリカさんがゲストとして登場した


>> 約8万円のプレミアムなSIMフリースマホはアリ? ファーウェイが「Mate S」発表 の元記事はこちら