人間には自分で善悪を知る本能がある。なにかまずくなりそうなことをしそうになると、心の奥底から、やめておけ、と、なにものかの声が聞こえてくるのだ。たとえば、子供のころの夏休み、アイスクリームは一日ひとつだけ。そして、昼食の後に、もう今日の分は食べてしまった。午後、遊びに出て、汗びっしょりで帰ってくると、家には誰にもいない。買物かなぁ。そう思いながら、なんとなく冷蔵庫を開けてみる。明日の分のアイスが