「故郷に帰りたかったか?それどころじゃなかったですよ。自分のことを考えている余裕は、ありませんでした」今野千代さんは、東日本大震災で被災、避難を余儀なくされながら、看護師として診療所で連日、任務にあたった。患者としてやって来る同郷の避難者。ふるさとに帰れないつらい気持ちを、「この人たちを何とかしないと」という責任感が上回っていた。1次、2次避難、仮設で臨時の診療所地元は浪江町津島地区。町の西部にあ