世の中にある数多の仕事の中には、多くの人に注目され、認知されるものもあれば、「縁の下の力持ち」的な仕事もある。後者の仕事はその実態が知られにくい。「辞書の編集者」という仕事は、どんなことをするのか一般的に知られていない仕事の一つではないだろうか。その内情は控えめに言っても「地味」で「地道」だ。『文庫 辞書編集、三十七年』(神永暁著、草思社刊)はそんな辞書編集の仕事を長年続けてきた著者による、逸話に