見るからに、土が苦しんでいる……

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我が家の近所にはラーメン店が多いのですが、自ずと競争率は激しくなります。繁盛店はあるし、反対にあからさまに混雑していない店舗もある。
さて、後者はどうすればいい? 「頑張れよ!」と言いたいところだけど、その頑張り方がわからない。だから、繁盛していないのだろう。なるほど、そういう時のために「コンサルタント」があるわけか。

話は変わって、今じゃこんなコンサルティングまであるらしいです。株式会社ティーエスピー(広島県広島市)が受け付けているのは、“農業のコンサルティング”。
例えば土で作物を育てている時、画像のようなこんな土になったらどうします?

「もう、ダメだ」と絶望に陥ってしまいそう……。そんな時こそ、農業コンサルティングの出番なわけです!

では、そのコンサルの方法から。
(1)耕作面積
(2)現在の作物の状況(病気は出ているか)
(3)今までどんな肥料を使っているか
上記の情報によって、どうすれば実りの良い土になるかを判断するとのこと。

ところで、どうしてあんな土の状態になってしまうのだろう?
理由として第一に考えられるのは「土で作物を育てる時、特定の肥料成分を与えすぎている」。作物が吸収できないほどの栄養分(化学肥料・農薬)を与えていると、次第にその土で作物が育ちにくくなっていく。これは作物が育つのに必要な栄養分の過剰症や欠乏症によるもので、「連作障害(れんさくしょうがい)」と呼ぶそうです。
「現在行われている農業は、作物が育つ『化学性』と『物理性』を重視して化学肥料や農薬を使用し、『生物性』を重要視してきませんでした」(担当者)
例えば病原菌を殺すための土壌消毒は、土壌の微生物や小動物を死滅させる。化学肥料に頼って有機物を軽視すると、生物性のバランスが崩れて連作障害など様々な弊害が現れてくる。
「作物が育つ土づくりのためには、『生物性』を支える微生物を大事にした肥料を与えることが大切です。私たちの農業方法は化学肥料に頼らない自然のままの土、すなわち『生物性』を重視し、『物理性、化学性、生物性』の3つのバランスを保つ有機肥料を使用します」(担当者)

その有機肥料とは、注目の成分「有機ケイ素」である。
「有機ケイ素肥料を使うことで、化学肥料・農薬は不要になります。むしろ、せっかく土の力を蓄えたところに化学肥料・農薬を入れると、再び土の生態系が崩れ、土の中に薬品が残り、収まっていた病気や障害の発生につながる場合があります」(担当者)
化学肥料を使用する農業方法から「有機ケイ素」を利用した農業方法に切り替えて3カ月ほどすると、土の状態に明らかな変化が起こるという。それまでは堅く杭もさせないような土が、ふかふかした柔らかいものに変化!
「ふかふかとした柔らかい土になると、粒と粒の間に空気・水分・養分を蓄える事ができるようになります。また、水はけと通気性が良くなります。さらに、作物の成長も促進されます。茎・葉・実を育てた後も土の中の生物性や栄養が残るため、収穫後の連作も可能です」(担当者)

もちろん「連作障害」以外にも、農業コンサルティングによって様々な問題が解決できるという。
「有機ケイ素肥料によって土に透水・通気・保水力がつき、なり疲れの防止や病気対策や虫への免疫につながります。人間でも栄養をしっかり摂って良い環境で育てば、血液がキレイになり病気になりにくいですよね? 植物でも同じことが起こる……というイメージです」(担当者)

そんなこの“農業のコンサルティング”、全国農家からの要請に対応しているという。
「国内・国外を問わず、世界規模での安心・安全な食の提供を目指しています。現在はアジアの企業数社からの問い合わせがあり、農薬により枯れた土地の再生に向けて導入を調整している段階です」(担当者)
それどころか、農家以外からの問い合わせも受付中。
「ただ、使用する有機ケイ素肥料が業務用のものになりますので、コストが合わない可能性もございます。詳しくはお問い合わせください」(担当者)

同社がコンサルティングする農業方法は、畑を休ませる期間を必要としない。結果、連作可能になるので一般的な肥料を使った時よりも収穫量がアップする。収穫量が増えると、出荷量(つまり、農家の方の収入)が増えるという流れだ。
「農家の方から『皆様に美味しくて体に優しい野菜を届けたいが、手をかければコストが高くなり、収入を得るため値段を高くすると一般家庭に野菜が届かない』と声をいただいたことが、コンサルティングを始めたきっかけでした」(担当者)

農家は潤い、購入者は安全な野菜を手ごろな価格で購入できる。「人・物・地球に優しいサービス」そのものだと、同社は胸を張る。
(寺西ジャジューカ)