渾身の力でイチゴジャムのフタをあけるマッチョ。

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何度か、フーターズに食事へ行ったことがあります。ご存じですか、フーターズ? 魅力的なスタッフのお姉さん達に、魅力的なコスチューム(白いタンクトップとオレンジのホットパンツ)。食事目的と言うよりも、“目の保養”目的であったことは否定しません。
さて、男性にはフーターズやメイド喫茶がある。一方の女性には? 世には“執事喫茶”なる文化も根付きつつあるようだが、嗜好は人それぞれ。もっとフィジカルを売りにした店舗だって、あっていいのではないか。

というわけで、偵察へ行って参りました。昨日4月5日、「スペースf」(東京都中野区)にて一日限定開催されたのは、その名も「マッチョカフェ」!

これは、どういうカフェ? そのコンセプトは、タイトル通りです。まさに、マッチョが接客するカフェ。

早速、店舗へ向かうと、到着する手前数メートルからあまりにもな人数による行列が! 皆、ドラクエやドーナッツ目当てではなく、マッチョに接客してもらいたいから並んでいるわけですね。今日は、雨が降ってるというのに……。欲望に正直!

はい、店内に潜入しました。すると、いきなり数人のマッチョがポージングしながらお客さんの女性を取り囲み、ポージングしてます。そして、そのままグルグル回ってる。どういう状況なんだ、これ……?
「これは、『肉の壁』(3,000円)です。お客様の周り360度をマッチョが囲み、いろんなポーズをとってあげるサービスです」

お答えいただいたのは、「日本お姫様抱っこ協会」会長の鈴木秀尚氏。以前、コネタで「マッチョバスツアー」なるイベントを紹介しましたが、この日のカフェも同協会による仕掛けでした。

この情報を踏まえ、そのつもりで接客を眺めているとおかしな点がいっぱいある。「いらっしゃいませ」じゃなくて「いらっしゃいマッチョ!」とか言ってるし、働きながらシレッとブルワーカーで上腕を鍛えてるし、階段の手すりを使って腕立てし始めてるし……。
っていうか、このスタッフたちは誰なんですか!?
「今回は、厳選されたマッチョを揃えました。当協会が定める“マッチョ6原則”(禁煙、禁酒、非暴力、飲白/蛋白質を飲むの意、吸酸/酸素を吸うの意、壊筋)に則ったスタッフばかりです」(鈴木会長)
プロレスラーもいればボディビルダーもいるし、お笑い芸人(超新塾のコアラ小嵐さん)だっている。彼らがタンクトップやスケスケ衣装を身にまとい、悩ましき接客をしてくれるのです。

となると人間の生理として、どうしても肌を触りたくなってくる。……ごめんなさい、ダメです。NGです。その手の触れ合いは、風営法に抵触してしまう。あくまで、ここは目の保養として楽しむ場。もどかしさから、あちこちから「触りた〜い!」と女子による悶えが聴こえてくるが、お触り厳禁ですよ!

では、そんなマッチョ悶え女子群の中の一組にお話を聞いてみました。すみませーん、マッチョ好きですか?
「はい、好きです! もともとは空手を観るのが好きで、組手中も筋肉を見ている感じ。最近は、私の中でマッチョ的に不作かなと思っていた時にこのカフェの情報を知ったので、今日は来ました。ええ、目の保養ですね(笑)」(30歳/女性)

確かに“目の保養”でしょう。でも、大前提を忘れてはいけない。ここは、カフェです。じゃあそろそろ、メニューの方を紹介していきましょうか。フードには“筋肉増強メニュー”が、ドリンクには“プロテイン入り”の数々が存分に揃っていますよ!

●「余計な脂肪分取っちゃいました」鶏の胸肉 (700円)
余分な脂肪分を取り除いた鶏胸肉を茹でた。蛋白質は15グラム程。
●切れてるよ!(1,500円)
鶏胸肉を栄養価の高いチーズと一緒に焼いた。味付けはバジルとトマトで作った特製ソース。添えつけには新鮮な野菜たちを。
●アラスカのように広大な背中!(1,500円)
サーモンのムニエルと新鮮な野菜たち。そこにマッチョたちが前腕をフル活用しスライスしたレモンをのせた。

向こうの方では、マッチョなスタッフがテーブルへ「パン de マッチョ」(500円)なるメニューを配膳中。これは単なるイチゴジャムパンなのだけど、ジャム缶が他店と一味違います。
「当店のジャム缶のフタはとてつもなく固いです。しかし日々厳しいトレーニングをこなすマッチョならば、いとも簡単にあけてしまうでしょう」(鈴木会長)

このフタをあける過程も見せてあげるのが、マッチョカフェ流。尋常じゃないほど筋肉を震わせ缶のフタをあける様子は、好き者にとって絶景です。他にも、ビール「マッチョ一番絞り」(500円)を注ぐ際は、パワー余って缶をクシャクシャに握りつぶしてしまう加減の知らなさだし。この時の手元も見どころですね。

ここで、ふと思いました。彼らって、もはやアイドルなのではないかと。まさに、“会いにいけるアイドル”。だって、マッチョを求める女性のハートを満たしてあげてるじゃない!
「実は、カフェで勤務するスタッフ9〜10名によるアイドルグループ『マッチョ29』を結成いたします。“歌って鍛えるマッチョ”として、CDもリリースするんですよ」(鈴木会長)
彼らの成功、もう約束されたようなものじゃないですか。というのも、同カフェには「マチェキ」(500円)なるサービスがある。“推しマッチョ”と一緒にチェキ撮影が許されるのだけど、来る客来る客から矢の催促がバンバンと! 横で見てて、ビジネス的嗅覚としても、筋肉へのニーズを私は確信しました。

最後に、そもそもの話を伺いたい。なぜ、このようなカフェをオープンしたんですか?
「私は常々、厳選されたコーヒー豆を扱うお店があるのに、なぜ、厳選されたマッチョを扱うお店がないのか疑問に思っていました」(鈴木会長)
そんな疑問、抱いたことなかった。

「最終的には週一ペースで営業できるよう、マッチョカフェを根付かせていきたいです。次回の営業は、ゴールデンウィーク中の5月4〜6日となります」(鈴木会長)
機を見るに敏。鍛えながら、畳み掛けます。
(寺西ジャジューカ)