“カタカナビジネス用語”使用率の地域別比較

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数年前までは、「ブレスト」の意味がわかりませんでした。そのまた数年前は「エクスキューズ」の意味もわからなかった。「この日が空いてるようならブレストしたいんだけど」とか「お前に任せる。でも、エクスキューズは無しにしてくれよ」などと言われる度に意味もわからず「ハイ」と答え、そのこなれた表現にウットリしたりして……。

そんな私も、考え方が変わりました。その手の横文字、今では好きじゃありません。然るべき日本語があるのならそっちの方が意思疎通を図れるし、単純に横文字の乱用はダサい気がする……。いや、あくまで私の考え方ですよ?

ところで、そろそろ入社シーズン。この時期を迎えるにあたり、ウェブリオ株式会社は20〜30代の若手ビジネスパーソン(178名)を対象に「カタカナビジネス用語に関する意識調査」を実施しています。

では、まずこの設問から。「あなたはカタカナビジネス用語を上司、同僚、お客様との会話やメールなど、ビジネスシーンにおいて使用することはありますか?」と、問うてみます。
結果、対象者178名のうちの141名、要するに約8割が「使用する」と回答! 地域別に見ると、日本三代都市圏の東名阪エリアでは東京と大阪が8割以上、愛知でも8割近くが「使用する」と回答しています。

ビジネスが活発に行われる商業圏では、“カタカナビジネス用語”の使用率が特に高いことがわかりますね。

でも、一体どんなワードを発しているのだろう? そこで、「あなたがビジネスシーンにおいて、使用頻度の多いビジネスカタカナ語を三つ教えてください」という設問の登場です。

結果、ここでのトップ3は「アジェンダ(計画・予定表)」、「タスク(課された仕事・職務)」、「収容能力・容量」となりました。その他、「エビデンス(言った言わないの証拠・言質)」、「アサイン(割り当てる・任命する)」といった用語も、使用頻度の高いワードとしてランクインしています。

とは言え、使えばいいってもんじゃない。そこで、こんな質問を。「ビジネスシーンにおいて、カタカナビジネス用語を聞いた際に困惑したことはありますか?」。……やっぱりですか。回答者の54.5%が、「困惑経験あり」と回答しています。ビジネスパーソンの半数以上は、“カタカナビジネス用語”に頭を抱えてしまった経験が一度はあるらしい。
でも、困惑にも種類がある。続いては「困惑経験あり」回答者に限定し、「カタカナビジネス用語の意味がわからなく、ビジネスシーンで失敗に至った経験はありますか?」と聞いてみました。結果、19.8%が「失敗経験あり」と回答! 困惑経験者の5人に1人が、困惑を“失敗”に繋げてしまっているようなんです。

さらに、深く突っ込んでいきます。今度は具体的に、「あなたが困惑したことがあるカタカナビジネス用語を教えてください」と質問。結果、判明しましたよ。

困惑させる用語の第一位は「コミット(約束・決意表明)」で、第二位は「ローンチ(立ち上げる・立ち上がる)」、次いで「ケーピーアイ(KPI/重要業績評価指標)」と「エビデンス(言った言わないの証拠・言質)」が同率三位にランクインしたようです。

ねえ、どうでしょうか。こんな厄介が起こるのなら、もう日本語で通せばいいのではないのか? ……とは、行かないみたいです。「ビジネスシーンにおいて、カタカナビジネス用語の習得は重要だと思いますか?」という質問に「とても重要だと思う」と回答した人は11.2%いるし、「まあまあ重要だと思う」回答者は37.8%もいるんです。要するに、重要性を感じているビジネスパーソンは約半数(49.0%)もいるわけです。
この回答を業種別で集計すると、「教育・学習支援業」では64.3%に達しているし、「卸売業・小売業」と「医療・福祉」だと60.0%に到達。業種によっては、“カタカナビジネス用語”習得を6割以上も重視していることが明らかとなってしまいました……。

さて、じゃあ最後はこの質問で締めましょうか。「カタカナビジネス用語を理解しておくことで、ビジネススキルは感覚的に何割増しになると思いますか?」。
……なるほど。「ビジネススキルは上がるとは思わない」回答(44.9%)を除くと「1〜2割増し」が30.9%に達し、最も票を得た回答となっています。

やっぱり、カタカナビジネス用語って大事なのかしら? ちなみに私、「ローンチ」も「ケーピーアイ」も「エビデンス」も、全て知りませんでした。
(寺西ジャジューカ)