「職場における服装について、どのぐらい気を遣っていますか?」

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「服にばっか気を付けてないで仕事しろ!」「髪イジる前に手を動かせ!」と上司から怒られる新入社員は、多いのでしょうか? 
しかし、パリっとしているビジネスパーソンこそ“仕事できる風”に見えません? 頓珍漢なコーディネートだったり、無頓着な装いだったら「この人、大丈夫かな?」と不安になったりして。

そこで、このデータを見てみましょう。株式会社リクルートキャリアが運営する“次世代リーダーのキャリア形成を支援するためのサイト”「CAREER CARVER(キャリアカーバー)」は、520人の上司(管理職)と518人の部下を対象に「上司の服装に関するアンケート」を行っています。

まずは“上司”を対象に、この設問から。「職場における服装について、どのぐらい気を遣っていますか?」。
結果、「気を遣っている」回答は男性が71.8%(「とても気を遣っている」16.5%、「やや気を遣っている」55.3%)で、女性は76.4%(「とても気を遣っている」23.5%、「やや気を遣っている」52.9%)に達しています。
上記の回答結果を踏まえ、聞きましょう。「仕事上の業績・成果目標に対して、どのぐらい達成できていますか?」。

では、“タイプ別”に集計してみましょうか。まず“気を遣っている男性”の達成率は87.3%(「十分達成している」16.3%、「やや達成している」71.0%)、“気を遣っている女性”の達成率は88.4%(「十分達成している」20.5%、「やや達成している」67.9%)だと判明。
一方、“気を遣っていない男性”の達成率は77.1%(「十分達成している」10.2%、「やや達成している」66.9%)で、“気を遣っていない女性”の達成率は58.3%(「十分達成している」8.3%、「やや達成している」50.0%)でした。

仕事上の業績・成果目標に対し、“服に気を遣っている人”の方が達成している割合が高いようですな。
続いては、「現在の勤務先から、どの程度評価されているか?」という設問の登場。ここも、タイプ別に見てみましょう。
“気を遣っている男性”による「評価されている」回答は82.4%(「十分評価されている」18.7%、「やや評価されている」63.7%)で、“気を遣っている女性”の「評価されている」回答は85.9%(「十分評価されている」24.4%、「やや評価されている」61.5%)です。
一方、“気を遣っていない男性”の「評価されている」回答は72.1%(「十分評価されている」8.5%、「やや評価されている」63.6%)で、“気を遣っていない女性”の「評価されている」回答は58.3%(「十分評価されている」12.5%、「やや評価されている」45.8%)。う〜ん、不思議に大きな差がついてますな……。

さらには、“部下との関係性”も尋ねてみましょうか。結果、男性では大きな差が見られなかったものの、女性は“服装に気を遣っている人”の方が部下との関係性が良好だと判明しています。(「人間関係が良好である」にYESと答えたのは、“服装に気を遣っている女性”が91.0%で“服装に気を遣っていない女性”が66.7%)
また、「部下から信頼されていると感じる」にYESと答えたのは、“服装に気を遣っている女性”が83.3%で“服装に気を遣っていない女性”が66.7%です。

ところで服装に気を遣っている人と遣っていない人では、具体的にどこに違いがあるのか? 「スーツ1着にかける金額は平均してどのくらいですか?」と、聞いてみました。以下が、結果です。
●“服装に気を遣っている男性”……平均5.29万円
●“服装に気を遣っている女性”……平均6.93万円
●“服装に気を遣っていない男性”……平均4.18万円
●“服装に気を遣っていない女性”……平均8.00万円
男性は“服装に気を遣っている人”の方が高いスーツを買う傾向が、そして女性は逆の傾向があることが浮き彫りとなっています。

もっと細かく探っていきます。「職場においてTPOに合わせて服装(スーツ、ジャケットなどのビジネスカジュアル、カジュアルな私服)を変えていますか?」、「取引先を意識した服選びをしている?」と、二連弾で質問を。 結果、様々なシーンで男女ともに“服装に気を遣っている人”の方が“服装に気を遣っていない人”よりも意識して服を選んでおり、特にその傾向は女性の方が顕著に表れる結果となりました。

そして、最後の質問! 「ご自身に合う服装の色について、ご存知ですか?」と尋ねてみると、“服装に気を遣っている男性”は32.7%が、“服装に気を遣っている女性”は46.2%が「しっかり知っている」と回答。一方、“服装に気を遣っていない男性”による「しっかり知っている」回答は12.7%で、“服装に気を遣っている女性”は16.7%。
男女ともに、2.5倍以上の大きな開きがありますね……。

政治家や経営者をはじめのべ1万人の服装についてアドバイスし、キャリアアップに貢献してきた「株式会社フォースタイル」代表・久野梨沙氏は、以下のように解説しています。
「“デキるビジネスパーソン”の方は様々なものへの視野が広く、自分が周囲からどのように見られていて、何を求められているのかを常に把握できていると感じる。つまり“デキるビジネスパーソン”は服装にまで意識が及び、配慮できる人が多い。色についても、自分の好きな色を身に着けるのではなく、自分に似合う色や表現したい自分を演出するための色を身に着ける人が多いのも特徴」

単に服装を変えれば“デキるビジネスパーソン”になれるわけではなく、「自分に何が足りないのか?」を分析するプロセスそのものが、自分に求められるものを常に意識し把握するために大切なのでしょう。
(寺西ジャジューカ)