中川政務官の路チュー騒動で国会が居酒屋レベルの下世話さに|プチ鹿島コラム

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 政治家のスキャンダルが出てくると、私は話の中身そのものより「政治家の振る舞い」に注目してしまう。緊急事態にどう対処するかで政治家としての資質が下世話目線でチェックできると思うのだ。最近しみじみするのは自民党の中川郁子農林水産政務官(56)と同党の門博文衆院議員(49)の「路チュー」問題である。

下世話すぎるスキャンダルは追及する側も資質が問われる

「週刊新潮」(3月12日号)に掲載されたのだが、写真を撮られたあとの両氏の対応がなかなかだった。

「私じゃないと思います」「私はもっと美人で、細いし、若いし」(中川)

「俺はこの写真の男じゃないよ。もっとも、今まで妻一筋かと言うと、そうとは言えんな。風俗はソープランドだけや。全国でも1、2を争う店があって熊本のブルーシャトウな。3回行ったよ。吉原にも行ったけど、議員になってからはない。」(門)

 しかし報道後、2人とも「軽率な行動だった」とあっさり認めた。あの弁明は何だったのか。私は門議員の「おしゃべり迂闊おじさん」ぶりにちょっと興味を持ってしまった。

 今週は週刊新潮だけでなく文春も後追い。両誌とも「体調不良」で入院した中川議員が病室で喫煙していたことも報道した。さて、こういう下世話すぎるスキャンダルは追及する側もどう対処するかで政治家としての資質が見えてしまう。というのは次の記事を読んだからだ。

《路チュー中川政務官KO寸前 自民から皮肉「細野氏に質問させろ」》(東スポWeb・3月14日)

 記事によれば12日の衆院予算委員会で民主党の大西健介衆院議員は中川氏に対し、「(夫の)中川昭一さんは草葉の陰でどう思っているでしょうか」と発言したという。国会の場で居酒屋レベルの言葉が出た。過剰な「正義」「成敗」もチラホラ見えて気持ち悪い。下世話すぎるスキャンダルを国会で追及するときは腕がいると痛感した。

 この発言に対し「(山本モナと路チューが有名の)細野氏に追及させればいいじゃないか」という声も出たといい、細野氏にとっては完全なもらい事故となった。

 今回の事件、路チューの2人が二階派所属ということで、今秋の総裁選出馬の噂もある二階俊博氏に対しての牽制ではないか? という見立てもある。民主党次期代表候補の細野氏の古傷も引っ張り出せることを考えた上での誰かの「王手飛車取りリーク」だとしたら怖い。

 そう考えると、先日の自民党の党大会で中西圭三がこの時期に『チューチュートレイン』を熱唱したというマヌケなニュースも、あれは実は何かの予告だったのだろうか……。

 考えすぎでした。すいません。

著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。