【米国はこう見ている】手術実施か回避か ダルビッシュが田中将大も診た医師の診断を仰ぐ?
セカンドオピニオンを仰ぐためニューヨークへ
右肘靭帯損傷が発覚したレンジャーズのダルビッシュ有投手が10日(日本時間11日)、セカンドオピニオンを仰ぐため、ニューヨークでメッツのチームドクターの診断を受けることが分かった。米テレビ局「CBSスポーツ」が報じている。
アリゾナ州サプライズでスプリングキャンプに参加していたダルビッシュは5日(日本時間6日)のロイヤルズとのオープン戦で今季初先発。1回12球を投げた後、右上腕三頭筋の張りを訴えて降板していた。
レンジャーズのチームドクター、キース・マイスター医師の診察を翌日に受け、MRI検査の結果、靭帯部分の小さな傷が明らかになった。そして、高名なマイスター医師は自分の腱を移植し、患部を再建するトミー・ジョン手術を勧めたという。
その一方で、ダルビッシュは手術回避の可能性も模索している。
「もしも、今季出場できなくなってしまったら残念だけど、セカンドオピニオンを含めて全ての可能性を見てみたい」
球団を通じてこう声明を発表していたダルビッシュは10日にメッツのチームドクター、デビッド・アルチェック氏にセカンドオピニオンを仰ぐためにニューヨークに出発する予定だという。
田中、ハービーも診たアルチェック氏
ヤンキースの田中将大投手がたどった道でもある。昨年7月に右肘痛を訴えた田中は精密検査の結果、右肘靭帯部分断裂が発覚した。整形外科医の学会が行われていたシアトルに向かい、ヤンキースの主治医を含む複数の専門家の診察を仰いだ。その結果、保存治療を選択していた。約2か月半のリハビリの末に終盤の2試合で先発復帰していた。
この時の1人がデビッド・アルチェック氏だ。2013年8月に剛腕マット・ハービーの右肘靭帯部分断裂が発覚した際にもチームドクターを務めていた。ハービーは初めは手術なしでの治療を選択したが、シーズン終了後にメスを入れることを決断。リハビリを経て、今季から復帰する予定だが、6日のオープン戦では150キロ台後半を連発するなど、完全復活への道を進んでいる。
記事では「(セカンドオピニオンの場には)もしかすると、奇跡が存在するかもしれない。だが、あえて言えば恐ろしい、1年を要する肘の再建手術が迫っている。レンジャーズにとっても、再び1年を無駄にする事態が起こりそうである」と分析している。
トミー・ジョン手術を受けた場合、一般的に復帰まで1年から1年半を要する。ダルビッシュにとっても、昨年記録的な故障者の続出でア・リーグ西地区最下位に沈んだレンジャーズにとっても、そして、エースの快投を心待ちにするベースボールファンにとっても、ダルビッシュの長期離脱は痛恨の事態となる。