ガーナ戦に臨んだ代表イレブン　（撮影：二宮渉/フォート・キシモト）

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　９月６日、10日のキリンチャレンジカップで、「守備の再建」が論点に上がっている。

　本当にそうだろうか。

　６月のコンフェデ杯以降の失点の多さを考えれば、ディフェンスの整備はもちろん必要である。９月２日から９日間にわたって活動できる今回は、守備の課題を洗い出すのに有効な時間となる。

　とはいえ、６日に対戦するグアテマラはＦＩＦＡランキング93位タイだ。95位はオマーンと中国である。37位の日本からすれば、明らかな格下と言っていい。

　オマーンや中国を無失点に抑えても、我々は当然のものとして見なす。グアテマラも同様だ。６月のイラク戦以来の無失点は、最低限のノルマである。

　４日後の９月10日に対戦するガーナは、ＦＩＦＡランキング24位の格上だ。ただ、日本対グアテマラ戦が行なわれる当日に、ホームでＷ杯予選を戦う。長距離移動の疲労と時差を引きずったなかで、彼らは戦うことになる。

　Ｗ杯での上位進出も珍しくない実力国だが、フィジカルコンディションは差し引いて考えるべきだ。無失点に封じたとしても、守備が再建したとは言えない。「再建のきっかけをつかんだ」という程度の理解がちょうどいい。試合が行なわれるまえに、この点はしっかりと確認しておきたい。

　ガーナ戦の論点に踏み込めば、相手がフレッシュな前半にどんな戦いができるのかだ。

　リードを許してハーフタイムを迎え、途中出場の選手を投入した後半に同点や逆転へ持ち込んでも、さして評価できない。ガーナのパフォーマンスが落ちるのは明らかだからだ。

　日本の交代選手が４人以上なら、さらに評価は下がる。実際のゲームでは、３人までしか交代できない。フレッシュな選手の投入が勝利へつながっても、公式戦に重ねることはできないだろう。

　そうした立場で考えると、前半にどのような戦いを見せるのかを大切にしたい。

　コンフェデ杯のブラジル戦のように、立ち上がりに失点をしない。同じくコンフェデ杯のイタリア戦のように、前半終了間際に失点をしない。８月のウルグアイ戦のように、立て続けに失点を許して主導権を明け渡さない──そうしたチェック項目をクリアしなければ、「再建のきっかけ」をつかんだと言えるはずもない。

　攻撃においてもテーマはある。その試合最初の決定機で、確実にゴールできるかどうかだ。

　コンフェデ杯のメキシコ戦やウルグアイ戦では、前半や後半の立ち上がりに迎えた決定機を逃した。逃したのは得点だけではない。ゲームのイニシアチブを掌握する、あるいは引き戻すきっかけも掌からすり抜けていった。

　強豪相手と対戦するたびに、選手もメディアも「細かいところの差が出た」という結論を求める。ならば、グアテマラやガーナ相手の試合においても、ディティールを突き詰めていくべきである。