8日放送、日本テレビ「NEWS ZERO」では、中国スーパーリーグで初の日本人監督になった、元日本代表監督でもある、岡田武史・杭州緑城監督の独占インタビューを放送した。

「なぜ中国で指揮するのか 岡田武史監督が語る」と題したインタビューの冒頭、中国で監督をやる理由を「サッカーにおいて、まだ自分がやりきれていないサッカーがあるという感覚を持ち始めて、で、もう一つ、やっぱりこれから色んな意味で世界のキーになる中国を生で見てみたい」と語る岡田監督。

中国の選手については、「こっち来る前に中国で監督経験のある韓国人や色んな人に“中国は難しいよ”と。なかなか言うこときかないし、レイジー(怠惰)だしとか。色んなことを言われていました。ところが、きてみたら、全くそんなことなくて、一生懸命やってくれるし、ある意味情報がない分、純粋で何かかわいくてしょうがない」という。

また、これまでの中国サッカー界について、「選手たちがみんないうのは、(岡田)監督がきて何がよかったか。力(実力)でメンバーが決まる。ある意味、中国の長い歴史の中で人脈社会といいますか、それまでは上海出身の監督がきたら、上海出身のヤツしか試合に出ないとか。みんな最初から、諦めているんですよね。だから練習やったってしょうがない。ダラダラとした練習になる。でも、僕は“やったヤツは出れるよ”って言ったら、みんな素晴らしく頑張る」と告白、岡田監督の就任でチームが根底から変わってきたことをうかがわせた。

さらに、昨今の日中関係の影響を訊かれると、「日本人として嫌な思いをしたことは一回もない。たしかに公安からは1週間くらい外出を控えてくれとか、スタジアムで何かあるかもしれないから気をつけろとか言われたけど、実際にはなかった」と語った岡田監督は、中国で監督を続ける意義についても、「僕も3人の子どもがいて、子どもの時代に争いの時代を残したくない。何か父親としてできることはないかなと思ってたんで、僕ができることは日本人と中国人、韓国の選手も2人います。みんなが力を合わせて、心を一つにして戦っている姿をみせる。ただ、それだけ。これから恐らく中国を撤退する企業が多くなるでしょう。企業は企業の論理で動くでしょうから、これはしょうがないですけど、スポーツは文化だと思ってますから、文化はそういうものを乗り越えて、人と人との絆を作れるもの。こういう時こそ、我々が頑張らなきゃいけないと思ってます」と話した。