糖尿病専門医が教える。1食600キロカロリー・弁当箱ダイエット




「健康的にダイエットをするなら、1食につき600キロカロリーを目安に、主食、主菜、副菜を3:2:1の割合で食べましょう」と提唱するのは、糖尿病専門医で、大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。具体的な方法など、詳しいお話を伺いましょう。



■「主食:主菜:副菜=3:2:1」の割合に



福田先生は、太らないための1食の摂取カロリーについて、こう説明します。



「1回の食事の総カロリーを600キロカロリー前後にすると、1日で1,800キロカロリーになります。基礎代謝を考えると、この量なら体脂肪が増えず、生活習慣病になりにくい体型を維持できることが分かっています」



福田先生は糖尿病専門医の立場から、「『腹やせ』を実現すると健康な状態に近づき、見た目も良くなる」と提唱されています。



「腹やせのためにも、1食600キロカロリーにすることが健康ダイエットの要です。



もし、これではおなかがすいてあとでドカ食いしてしまうという人は、朝と昼は1食800キロカロリーに、晩は600キロカロリーにするなどして、徐々に600キロカロリーに減らしていくようにしましょう。



基礎代謝が高い男性は、1食につき700〜800キロカロリーを目安にしてもよいでしょう」と、ドカ食い対策も提案します。



では、600キロカロリー分のメニューをどのように食べればいいのでしょうか。



「主食(ごはん、パン、めん類など):主菜(メインのおかず):副菜(野菜など)の分量の比率を3:2:1とすると、栄養バランスがよくなります。



つまり、主食は約300キロカロリー、メインのおかずは約200キロカロリー、副菜は約100キロカロリーとします」(福田先生)



■600ミリリットルの弁当箱に比率どおりに詰める



食事の際に、その場で「これが600キロカロリーだ」と判断できるものでしょうか。福田先生は、



「簡単に見極める方法があります。600ミリリットルの弁当箱を使って、カロリーと栄養バランスをチェックするのです」と、次の方法を紹介します。



<弁当箱でカロリーと栄養バランスをチェック>



1.600ミリリットルの弁当箱を用意。

おおよそ、600キロカロリー分の料理が入ります。



2.弁当箱に、料理を「主食:主菜:副菜=3:2:1」の割合で詰めます。

主食は、2〜2.5に減らし、総カロリーを500〜550キロカロリーとしてもよいでしょう。



3.料理が重ならないように、また、詰めすぎないようにします。



4.色のバランスを考えて詰めます。

主食(ごはん)は白系、主菜(肉や魚)は茶系、副菜(野菜)は緑系や赤系など。見た目においしそうに感じ、栄養のバランスも整います。



福田先生は、日常的にカロリーを計算する手段として、



「家で食事をするときでも、この弁当箱に詰めてみてください。

すると、『600キロカロリーがどのぐらいか』を把握することができて、繰り返すうちに目で確認できるようになります。はみ出した分は食べないようにしましょう」とレクチャーします。



弁当箱ダイエットの効果については、



「栄養バランスの改善を一番の目的とし、タンパク質(おかず)の食べ過ぎを予防します。これがカロリーダウンにつながります。詰めた弁当箱を眺めて、『おかず、少ない!』と思ったら、その量は正解なんです」(福田先生)



最後に、食べ方についてもアドバイスを加えます。



「この量にして、満腹感を覚えやすい食べ方を心がけます。例えば、一口につき30回以上を噛(か)む、途中でおはしを置いて休憩する、副菜→主菜→主食を交互に食べ進めるなどの工夫をしましょう」(福田先生)



これは何とも分かりやすいカロリー計算法です。早速、600ミリリットルの弁当箱を買いに走り、トライしました。



す、少ない……。でも、それゆえに、じっくりと噛みしめ、味わって食べました。そして、「実はこのぐらいで十分なのだな」ということを知ったのです。自作の600キロカロリー健康バランス弁当、ぜひお勧めします。







監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書 780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書 756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス  1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。





(海野愛子/ユンブル)