街は生き物のように進化し変貌し続ける。そして、そこに集う人々も様変わりしていく。今回は銀座・有楽町エリアの表情を覗いてみよう。

 高級ブランドとデパートが建ち並び、人々の夢とあこがれを集める大人の街、銀座・・・という認識はもう古い。その街並みと客層はすっかり変わっている。また、上記のように表現されるとき、近隣の有楽町は銀座とひとくくりに語られることが多いが、そこもまた大きな変化の時を迎えようとしている。

 銀座・有楽町エリアの地理感をざっくり押さえよう。両エリアを縦に貫くのは晴海通りで、中心点は4丁目交差点。晴海通りを中心に4、5丁目で分ける。皇居を背にして左手に1〜4丁目、右手に5〜8丁目。晴海通りと直行するのが通称銀座通りと呼ばれる中央通り。休日の歩行者天国でも有名な銀座の中心街である。中央通り平行しているのが有楽町に外堀通り、晴海方面が昭和通りだ。

 その中心街たる中央通りの新橋方面・5丁目側には百貨店の松坂屋が店を構えているが、実はそのエリアの特徴は従来の大人・高級という風情ではない。言い換えてみれば、外国人・ファストだ。ファストは、「ファストファッション」のこと。ユニクロ、H&M、ZARA、フォーエバー21が軒を揃える。フォーエバー21は2013年から始まる建て替えまでの期間限定契約とはいえ、松坂屋にテナントとして入居している。客層で目立つのは外国人。欧米人もいるが、中国人が圧倒的に多い。フォーエバー21同様、松坂屋に入居している中国資本となった家電量販店・ラオックスも集客に一役買っている。晴海通りの反対、京橋方面の4丁目側にはアップルストアなど目新しい店もあるが、三越と松坂屋が構えているため、旧来からの百貨店ゾーンといえるだろう。特に三越は2010年秋に売り場面積を1.8倍に増床した。三越、松坂屋の買い物袋を下げた人が目立つ。


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