フィリーズのマッサージセラピスト玉那覇凌さん 球宴裏方も夢舞台で思い新た「本当に貴重な機会」
◇MLBオールスター ナ・リーグ0―4ア・リーグ(2026年7月14日 フィラデルフィア)
フィリーズのマッサージセラピストを務める沖縄県出身の玉那覇凌さん(33)が、初めて球宴でナ・リーグのスタッフに選出されてナインを支えた。夢舞台の舞台裏で得た経験と、後半戦への思いを語った。 (取材・柳原 直之、杉浦大介通信員)
初めて球宴に参加させてもらい、凄く良い経験になりました。選手のルーティンだったり、どういう準備をして試合に向かうのか、選手同士の技術的な話をすぐ近くで見ることができるので、本当に貴重な機会となりました。
選手にとって球宴はメディア対応やレッドカーペットショーもあって、普段と同じような準備はできていないと思います。でも、その中でも選手たちは自分にとって一番大事な準備をけっこう絞ってやっています。短い時間の中でも「これをやるんだな」というのが見えるので、それも凄く良い機会ですね。
13日は本塁打競争が終わった後に同じフィリーズのシュワバー選手のケアをしました。やっぱり後半戦に備えないといけないので。でも彼の場合は、多少の疲労やリスクがあっても、ファンに応えたいという気持ちが強い選手だと思います。
ドジャースの山本選手とはクラブハウスで食事をしながら、フィリーズの選手はどういうものを食べているのか、そんな話をしました。特に栄養面で、自分の身体に入れるものに対して、凄く知識を持っているなと感じました。
選手によって身体の使い方は本当に違います。身体を縦に使う選手もいれば、軸の回転で打つ選手もいます。縦に使う選手はハムストリングだったり後ろ側の筋肉に張りが出やすいですし、回転する選手は脇腹だったり身体の横に張りが出やすい。フィリーズでいえば、ハーパー選手もシュワバー選手もマーシュ選手もみんな違うので、張りが出る場所も施術のアプローチも変わります。
僕は施術台に来てからよりも、その前の情報を大事にしています。キャッチボールや打撃練習、ウエートルームでの動き、何げないしぐさも見ています。キッチンで会った時の会話も大事です。そういう小さなコミュニケーションが信頼関係につながって、選手がぽろっと身体のことを話してくれることもあります。
今回の球宴で、普段見ることができない選手の準備や身体の使い方を見ることができました。この経験を後半戦に生かしていきたいです。フィリーズもしっかり地区優勝を目指して、ポストシーズンへ向かいたいと思います。
僕自身はプロ野球選手になる夢はかないませんでした。でも、今は、選手たちが夢をかなえる過程に関わることができます。彼らが花だったら、僕は土になりたい。しっかり花を咲かせてもらえるように、自分にできる準備は全部やりたいと思っています。(フィリーズ・マッサージセラピスト)

