21年ぶりとなるフランス対アルゼンチン戦(親善試合)が7日に行なわれ、フランスがアルゼンチンに0−1で敗れた。

 試合は親善試合とは思えない真剣勝負の様相を呈した。興奮した選手同士の小競り合いも2度あった(サニョルとエインセ、アネルカとミリート)。レキップ紙によると、ボールの支配率ではフランスが55%で圧倒したが、スピードとテクニックはアルゼンチンが明らかにまさった。唯一の得点は、フランス守備陣のバランスを一瞬にして崩したサビオラのヒールパスが起点となった。

 シュート数もアルゼンチンの6に対し、フランスは9。ただしゴール枠に飛んだのがフランスはたった1本。アルゼンチンは4本を枠内に飛ばし、うち2本(クレスポのシュートをGKクペがはじき、こぼれ球をサビオラがゴール)を得点に結びつけた。フランスは決定的な場面でパス、シュートともに精度を欠いた。

 翌日のレキップ紙は、「春を待つ」との見出しで、アンリとトレゼゲが互いに反対方向を向いてうなだれる写真を一面トップに掲載、この試合を象徴するワンショットとして選んだ。アンリとトレゼゲの間に通ったパスはゼロ。アルゼンチンの2トップ(クレスポ、サビオラ)と対照的に、まったく噛み合なかった。

 フランス代表のドメネク監督は試合後、レキップ紙にこのコンビについて訊ねられると、「興味深い動きはあった」と収穫を強調し、「点を取るか、取らないかは、2人の選手だけでなくチーム全体の問題」と語った。

 2歳から17歳までアルゼンチンで育ったことで、この試合もっとも注目を浴びたトレゼゲは、「我々はいい解決策を見つけられずに、おそらく悪い方ばかり選んだ」とスペースに走り込んでもパスを受けられなかったことを嘆いた。攻撃が中央に偏ったことを反省し、この敗戦を1カ月半後のユーロ2008予選(対リトアニア戦、3月24日)に向けた教訓とすることを誓った。なお、レキップ紙はトレゼゲに対し、この試合のスタメン22人のうち、もっとも低い4点の評価を与えている。