ジョゼ・モウリーニョ監督のチェルシー政権が終わりを告げようとしている。モウリーニョ監督とオーナーであるロマン・アブラモビッチ氏との溝は日に日に深まるばかり。この状態に嫌気がさしているアブラモビッチ氏が後任監督探しを始めていると言われている。

 アブラモビッチ氏はモウリーニョ監督の後任としてすでに5人の候補をピックアップ。そのトップに挙げられるのはロシア代表のフース・ヒディンク監督だが、スタンフォード・ブリッジにやってくるのはヒディンク監督だけではない。アブラモビッチ氏はバルセロナのフランク・ライカールト監督をも連れてこようとしている、と英紙“サンデー・ミラー”が報じている。つまり、“ヒディンク−ライカールトの二頭体制”という驚きの方針を打ち出している。ヒディンク監督にクラブの全権を委任し、ライカールト監督にはトップチームの監督としての権限を与えるというのがその目的のようだ。

 モウリーニョ監督はチェルシーと2010年までの契約を結んでいるが、首脳陣との対立から契約が切れる前に解任されるという報道が連日メディアを賑わせている。もっとも、モウリーニョ監督は「2010年までチェルシーに残る」とこの噂を否定しているが・・・。

 一方、バルセロナで4シーズン目となるライカールト監督はこの間にリーガ優勝2回、チャンピオンズリーグ優勝を制覇。同クラブとの契約は2009年までとなっているが、ACミラン、オランダ代表の次期監督候補に挙がるなどライカールト監督の去就を巡る噂も絶えないことは確か。

 抱負な資金力をバックに移籍市場を驚かせ、これまで多くの選手を獲得してきたアブラモビッチ氏。今度は監督の招聘でフットボール界に衝撃を与えようとしている。

(スペイン通信)