マルセイユが24日、ホームのベロドロームにオセールを迎え、3-1で快勝した。

 この試合は観客なしという異例の状況下で行なわれた。昨年11月29日の対ニース戦で、マルセイユのサポーターから投げ込まれた爆竹によって消防士が指2本を吹き飛ばされる重傷を負い、その制裁としてこの措置がとられた。

 普段は地元の熱狂的なサポーターで埋まるベロドロームだが、この日は選手とベンチの声だけが響く異様な雰囲気。マルセイユのリベリも「観客なしでプレーするなんて普通じゃないし、初めての経験。3部のクラブにいたときだって、少ないときも50人〜100人はいた」(ビュット紙)と戸惑った。

 試合は中盤のリベリ、ナスリを中心にマルセイユがボールを支配。前半8分にペナルティエリア付近でパスを受けたリベリが、相手をかわし右足で先制した。リベリは同点に追いつかれた前半38分にもシセからのパスを左足でゴール。マルセイユは試合終了直前にタイウォがフリーキックを直接ゴールに叩き込み、オセールを突き放した。

 今シーズン初の1試合2得点をあげたリベリは、「サポーターの前でゴールをあげたかった。(観客なしでプレーするのは)モチベーションを高めて、集中するのがむずかしい。でもサポーターのために勝利をもぎとった」と語る。
 ベロドロームに入場できなかったマルセイユ・サポーターは、市内のバーなどに集まって試合を観戦。ホームゲームには欠かさずスタジアムに足を運ぶサポーターも口々に「変な感じ」と感想をもらしたが、結果はマルセイユが快勝し、同日の試合で敗れたランスを抜いて2位に浮上というおまけつき。フランスはこの冬一番の冷え込みだったが、マルセイユの街は熱い一夜となった。