23日に行なわれたリーグカップのウィコム戦に勝利し、決勝進出を決めたチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は試合後、自身の去就について、現在負傷離脱中のDFジョン・テリーと話し合いの場を設けていたことを明らかにした。

 チェルシーのキャプテンを務めるテリーは現在、クラブと契約延長の交渉を行なっており、近々プレミアリーグ最高額となる週給15万ポンド(約3500万円)の大型契約にサインする見通しだった。しかし、クラブ首脳陣とモウリーニョの確執が伝えられ、指揮官の退団が連日メディアを騒がせる状況に、テリーは大きな不安を感じているようだ。モウリーニョは、テリーから去就についての状況説明を求められたことを明かしている。

 「ジョンはチェルシーとの契約延長に合意間近だ。それも、かなり長期契約になりそうだ。だからこそ、彼は私に『来シーズンも指揮を執るのか?』と聞いてきたよ。私は、『おそらくそうなるだろう』と答えておいた」

 さらにモウリーニョは、自らの去就によっては、テリーの契約延長交渉にも影響が及ぶ可能性を示唆している。

 「ジョンは、私以外の監督の下でプレーするのは考えられないと言っていたよ。そして、私のチームで現役を終えたいとまで言ってくれた。私の考えを100%受け入れてくれている証拠だと思っている。彼にとっては、ジョゼ・モウリーニョのチームこそ、一番落ち着いてプレーできる場所なのだろう」

 イングランド代表でもキャプテンを務めるテリーは、チェルシーユース出身の生え抜きで、今やクラブを象徴する存在にまで成長した。そんなセンターバックが熱望するモウリーニョ体制の存続。去就問題に揺れるポルトガル人監督にとっては、クラブ側との駆け引きにおいて、これ以上ない強力なカードを手に入れたと言えるかもしれない。