近藤華(撮影:髙橋耀太)

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 岡田惠和が完全オリジナル脚本で紡ぐフジテレビ系木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』は、3階建てのレトロマンションを舞台に、3家族の笑いとぬくもりに満ちた日常を描くホームコメディーだ。北村有起哉と仲間由紀恵が夫婦を演じるなか、近藤華が大学生の娘・ゆず役として等身大の輝きを放っている。映画研究会に所属し映画監督を夢見るゆずは、“好き”にまっすぐな自由人。そんなキャラクターを通して、近藤自身もものづくりへの思いを重ねたという。撮影現場で感じた俳優陣の表現力、そして表現者としての自身の原点について語ってもらった。

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■北村有起哉の“ギャップ”に驚き 「ユーモアのある方」

ーー岡田惠和さんのオリジナル作品で、名だたる方々が出演されている本作へのオファーを受けたとき、どんな気持ちでしたか?

近藤華(以下、近藤):日常ドラマがもともとすごく好きなんです。なので、この作品に出られると聞いたときは、本当にうれしかったです。ですがキャストの方々を見たら、皆さんベテランばかりで「自分に務まるかな……」と一瞬不安になりましたが、同時に「この方たちのお芝居を間近で見られるんだ」と思ったら、すぐに楽しみのほうが大きくなりました。

ーー実際に現場でご一緒して、印象が変わった方はいらっしゃいましたか?

近藤:北村(有起哉)さんです。最初はクールで落ち着いた方なのかなと思っていたのですが、実際はすごく明るくてユーモアのある方で。そのギャップにビックリしました。最近は「小さい頃にどんなぬいぐるみを持ってた?」という話で盛り上がって。私はずっと持っているカエルのぬいぐるみの話をしたり、「みんなそれぞれ覚えているお人形が違うんだね~」と話したりしていました。

ーー撮影以外の時間も、キャストの皆さんとよくお話されるんですね。

近藤:はい。現場が本当に明るくて、撮影の合間もみんなでよく話しています。兄役の小瀧さんとお互いにツッコミ合うシーンがあって、最初はすごく緊張していたのですが、何回も撮っているうちに自然と兄妹っぽい雰囲気になっていって。休憩中も学校の話とか、好きな映画の話とかをして、だんだん距離が縮まっていった感じがあります。

ーー“ゆずらしさ”というか、このキャストだからこそ生まれた空気感はどんなところにあると思いますか?

近藤:皆さんが“どうしたらもっと楽しくなるか”をいつも考えていて、自然とその空気に引っ張られます。だから私も「ここちょっとふざけてみようかな」とか、「もっと自由に動いてもいいかも」と思えるようになりました。ゆずちゃんの明るさや面白さは、現場の温かさやみんなのチームワークから生まれていると思います。

■ゆずの“好きなことを形にしたい”という気持ちに共感

ーー北村さんはアドリブを毎回変えてくると伺いました。

近藤:はい。本当にすごいなと感じています。毎回ちょっとずつ違う動きを入れてくださっていて、それが全部ちゃんとシーンに合っているんです。第2話の朝食シーンで、あんさんと渉さんが言い合いになるシーンがあるのですが、そのときに北村さんがジャムのふたをカラカラ鳴らすアドリブを入れられていて。それがものすごく自然で、完成した映像を観たときも「この雰囲気が生まれたのは、あの音があったからなんだ」と感動しました。

ーーそうした現場の中で、演技面で「真似したい」と感じた部分はありますか?

近藤:皆さんの楽しむ力がすごいなと毎回刺激を受けています。台本に書かれていない部分でも工夫されていて、「お芝居ってこんなに自由でいいんだ」と感じました。何より、皆さん本当に自然体なんです。会話の中でちょっと髪を触ったり、視線を動かしたり。それが全部お芝居の中に生きていて。私は緊張すると体が固まっちゃうタイプなので、そういう自然な動きができるようになりたいなと思いました。

ーーゆずは映画監督を目指す大学生ですが、近藤さんご自身も「ものづくり」が好きだと伺いました。演じながら共感した部分はありますか?

近藤:すごくあります。ゆずちゃんは少し抜けてるけど、自分の“好き”にまっすぐなんです。私も絵を描くことが好きで、アニメーションを自分で作ったりしているので、“好きなことを形にしたい”という気持ちにとても共感できます。うまくいかないことも多いですが、イメージに近づいたときに「やってよかった!」と思えるんです。そういう小さな達成感を、ゆずの姿を通して改めて感じました。

ーーちなみに、アニメーションはどんなふうに作っているんですか?

近藤:タブレットを使って、自分の動きを動画で撮って、それを1コマずつなぞっていく感じです。1秒で9枚くらい描くのでけっこう地道なんですけど、動き出した瞬間がすごくうれしくて。最初は「自分の描いた絵が動いたら楽しいだろうな」と軽い気持ちで始めたのですが、今は構図とか光の使い方とかも考えるようになって、奥が深いなと思っています。

■「『大豆田とわ子と三人の元夫』が大好き」

ーー影響を受けた作品や、目標にしている表現はありますか?

近藤:ドラマだと『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)が大好きです。何度も観返してて、会話のテンポとか、日常の中のちょっとしたユーモアがある感じとか、今回のお芝居でもすごく参考にしています。

ーー将来的に、自分で作品を“作る側”にまわってみたい気持ちはありますか?

近藤:まだ「監督をやりたい!」みたいな気持ちはないですが、何かを表現として残すことは、ずっと続けていきたいです。お芝居もアニメづくりも、誰かの心を動かすことができるという点では同じだと思っていて。自分の出演している作品や制作した作品を観た人が「なんかいいな」と思ってくれたら、それだけで嬉しいです。(文=佐藤アーシャマリア)