セリエA第20節の行われた21日、ASローマ主将フランチェスコ・トッティ(30)が久しぶりにぶち切れた。アウェイでのリボルノ戦、1得点を決めセリエA通算得点記録を「138」と伸ばし、エンリコ・キエーザ(36=シエナ)と並び現役選手最多得点記録保持者となった直後の暴走だった。

1−1で迎えた後半ロスタイム、ルーズボールの奪い合いの際に事件は起きた。トッティの左頬に相手DFファビオ・ガランテ(33)の右肘が直撃、それまでにも執拗なファウルを受け続けていたトッティの堪忍袋の緒は切れる直前だった。ガランテを地面に引きずり倒して激しく抗議するトッティに対し、アイロルディ主審は一発退場を宣告。鬼のような形相でピッチを去ると、ピッチサイドでは怒りを静めようとしたチームスタッフをさらに突き飛ばした。試合後、「あれで一発退場はないだろう(代表監督ドナドーニ)。(判定ミスの)代償は高く付く」、「悪いことをした。お互いレッドではないはずだ(ガランテ)」、「両選手ともレッドが妥当だったのでは(ASローマ監督スパレッティ)」と判定に対して意見が分かれたが、審判レベルの低さを糾弾する点では同じ。

“問題児”から一転“プロの模範”と言われるまでに成長したトッティ。現役最多得点に並ぶ記念日となるはずが、ぶち切れる映像が全国に流れる苦い結末となった。

佐藤 貴洋