中国「独身の日」に異変 「収入が半減した」経済停滞が恒例のセールを直撃
きょう11月11日は中国では「独身の日」とされ、ネット通販のセールが恒例イベントとなっています。景気減速を受けて、かつてのような爆買いは様変わりです。
ネット通販最大手「アリババ」が2009年に始めた「独身の日」の大々的なセール。派手なイベントや、3年前には10兆円を超えた取引総額も話題を呼んできました。
今年は先月スタートし、これまでで最長のおよそ1か月間開催されますが、実は習近平国家主席が格差是正を目指す「共同富裕」を掲げて以降、派手なイベントは行われなくなっています。
上海市内に住み、デザイン関係の仕事をする男性。趣味で10年以上、日本のアニメやハリウッド映画のグッズを集めています。多いときの出費は年間40万円以上で、特にお気に入りなのが、部屋の奥に大事にしまっておいた映画「スター・ウォーズ」に登場する「ライトセーバー」。
“玩具マニア”の男性
「重さ、バランス、手の感触がいいね。振ったときの光の色やグラデーションを調整できるんです」
今年は「独身の日」のセールを含め、玩具は一切買っていないといいます。というのも…
“玩具マニア”の男性
「収入が半減しました。収入は娯楽にいくら出費できるかを左右します。おもちゃは精神的な満足を得るものであり、生活必需品ではありませんから」
高い失業率や不動産不況など、困難が続く中国経済。中国の国家統計局の調査でも消費への意識は停滞したままです。
中国でも絶大な人気を誇る「ガンダム」をはじめとした、キャラクターグッズを手掛けるこちらの企業は…
万代南夢宮娯楽有限公司 諸麦達也 董事
「伸びとしましては鈍化しております。バンダイナムコ総力戦で昨年の水準を維持しています。ユーザーさんのニーズに的確に応えていけるような商品化をすることが一番最適な方法なのかなと考えております」
経済の先行きが見えないなか、節約してでも買いたいと思える「本物」だけが生き残る戦いとなりそうです。