中国の貿易、1〜10月は安定成長 年間目標達成の見通し
空から見た西部陸海新ルート重慶内陸港。（10月28日、ドローンから、重慶＝新華社記者/王全超）
【新華社北京11月9日】中国税関総署が7日に発表した今年1〜10月のモノの貿易額は前年同期比5.2％増の36兆200億元（1元＝約21円）だった。うち輸出額は6.7％増の20兆8千億元、輸入額は3.2％増の15兆2200億元となった。1〜10月の伸び率は1〜9月を0.1ポイント下回ったものの、相次いで打ち出された新たな政策の効果を受け、10月の貿易は前年同月比4.6％増加し、伸び率は9月を4ポイント近く上回った。
税関総署統計分析司の呂大良（りょ・だいりょう）司長は、1〜10月の貿易が安定成長を遂げ、規模が引き続き拡大し、構造の改善が進んだと振り返った。その上で、質の向上と規模の安定成長という年間目標は達成が見込まれるとした。
中国の信用格付機関、東方金誠国際信用評估の馮琳（ひょう・りん）研究発展部総監は10月の輸出の伸びが予想を上回った理由として、�＾枉鏥ぞ櫃覆匹涼惨�的な要因による影響が薄まった��比較対象となる前年同期の数字が低かった�Ｍ⊇个凌靴燭文尭偉呂�好調さを維持した−を挙げた。10〜12月の輸出もプラス成長を維持するとの見通しを示した。
中国情報協会の朱克力（しゅ・こくりき）常務理事は、中国の1〜10月の輸出が安定成長し、貿易の強靭（きょうじん）性と活力を示したと指摘。世界の経済環境の改善や中国の貿易政策の整備が進むにつれて、輸出は着実な成長を続けると予想した。「1〜10月の貿易データは、世界経済が回復する中で、中国の輸出市場の構造が改善していることを反映した」とも述べた。
貿易パートナーは多角化が進んでいる。「一帯一路」共同建設国との1〜10月の貿易額は6.2％増の16兆9400億元となった。中国最大の貿易パートナーである東南アジア諸国連合（ASEAN）は8.8％増の5兆6700億元、欧州連合（EU）は1.2％増、米国は4.4％増、韓国は6.7％増だった。
民間企業が活発さを維持している。1〜10月に輸出入実績のある経営主体（企業・事業者など）は66万5千社に上った。民間企業による貿易額は9.3％増の19兆8500億元になり、貿易主体の主力としての地位を保った。
朱氏は「中国の輸出総額の伸びは輸出市場の多角化を受けたものだ。ASEAN向け輸出は8.8％増加し、地域的な包括的経済連携（RCEP）協定発効後の前向きな効果とASEAN市場の大きな潜在力を示した。EU、米国、韓国への輸出もプラス成長し、特に米国向け輸出は4.4％増え、世界の貿易網とサプライチェーン（供給網）における中国の中核的地位をさらに固めた」と振り返った。さらに、民間企業は輸出を推進する重要な力となっており、これは市場の活力が引き出されたことを示すだけでなく、中国の貿易主体構造の多角化が日増しに安定していることの現れでもあるとし、経済の多角化を推し進め、国際競争力を高める上で重要な意義があるとの見解も示した。
