男子フリーを終えてガッツポーズをする壷井達也(撮影・堀内翔)

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 「フィギュアスケート・NHK杯」(9日、国立代々木競技場第一体育館)

 男子フリーが行われ、SP3位だった壷井達也(21)=シスメックス=がともに自己ベストのフリー166・50点、251・52点でGP初表彰台となる3位となった。SP首位で22年北京五輪銀メダリストの鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=がフリー194・39点、唯一300点を超える今季自己ベストの合計300・09点で2連覇を飾った。

 現役神戸大生の壷井が殊勲の3位に入った。冒頭の4回転サルコー−3回転トーループの連続ジャンプをしっかり決めると、以降も気持ちのこもった演技で大きなミスはなく完走。殊勲のSPに続いて、3位をキープする会心の出来に大きくガッツポーズした。自身初めてのGPの表彰台に上り、「まさか3位になれるとは思ってなくて、メダルをもらった今も実感が湧かない。(表彰台に乗った景色は)幸せでした。このために頑張ってきて良かった」と目を潤ませた。

 国立大学の名門への受験、ケガなどもあってシニアでは伸び悩んでいたが、世界女王の坂本花織(シスメックス)と同じ練習拠点で猛練習を重ね、ついに世界トップの仲間入りを果たした。「シニアの壁の厚さを感じていたが、やっとNHK杯で世界のトップ選手と戦えるんだと自信がついた。これからももっと練習を積んで、より上の点数や順位を取りたい」と感慨を込めた。