史上最大の素数「M136279841」が発見される、4102万4320桁で数字を羅列するだけで39.9MB
これまで見つかっていた最大の素数より1600万桁以上大きい新たな素数が発見されました。その数は2^136279841-1で、10進数だと4102万4320桁にもなり、テキストファイルにすると39.9MB分になります。
Mersenne Prime Discovery - 2^136279841-1 is Prime!
https://www.mersenne.org/primes/?press=M136279841
発見したのは元NVIDIA社員のルーク・デュラント氏で、発見にはNVIDIAのGPUが使われたといいます。
2017年、ミハイ・プレダという人物が、PCのGPUのパワーが年々高まっていることを受け、GPUで実行できるメルセンヌ素数テストプログラム「GpuOwl」を作成し、「GIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search:グレート・インターネット・メルセンヌ素数探索)」というコミュニティに公開したとのこと。デュラント氏はこのプログラムを多くのクラウドGPUで実行・維持するインフラを開発し、17カ国にわたる24のデータセンターから数千のGPUの力を使い、約1年にわたるテストの末にM136279841を発見したそうです。
デュラント氏が「おそらくM136279841が素数である」と報告した翌日には、「リュカ-レーマー・テスト」と呼ばれるメルセンヌ数の素数判定が実施され、素数であることが確認されました。その後、デュラント氏も所属するGIMPSが複数のプログラムによってM136279841が素数であることを検証し、素数であると認めたとのことです。最大の素数の更新は6年ぶりのことでした。
GIMPSはメルセンヌ素数を発見するために結成されたコミュニティで、これまでに17個のメルセンヌ素数を発見することに成功しているとのこと。GIMPSはM136279841の発見に際し、「この功績は、素数を発見したルーク・デュラント氏や、ソフトウェアを開発したプレダ氏やジョージ・ウォルトマン氏、サーバーの保守を行ったアーロン・ブロッサー氏、何千人ものGIMPSボランティアにあります。これらすべての人々に敬意を表し、この発見の公式クレジットはデュラント氏、プレダ氏、ウォルトマン氏、ブロッサー氏、その他すべての人々(et al.)とします」と述べました。
なお、GIMPSには「そこそこ高性能のPCかGPUがあれば」誰でも参加でき、「素数ハンター」になれるとのこと。GIMPSは「Prime95」という素数探索ソフトウェアを無料で公開していて、以下のリンク先からダウンロードすることができます。ちなみに、Prime95は「PCに負荷をかけるストレステスト用のツール」としても親しまれています。
GIMPS - Free Prime95 software downloads - PrimeNet
https://www.mersenne.org/download/
新しいメルセンヌ素数を発見した場合は3000ドル(約45万円)または5万ドル(約758万円)の研究発見賞を得るチャンスがあるそうです。このほか、1億桁の素数の発見に対して電子フロンティア財団が15万ドル(約2275万円)の賞を用意しています。デュラント氏は研究発見賞を受賞して3000ドルを獲得する見込みで、賞金は以前から関わりのあるアラバマ数学科学学校の数学科に寄付する予定とのことです。