打撃練習する岡本和(撮影・金田祐二)

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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は16日にセ、パ両リーグのファイナルステージが開幕する。セは4年ぶりにリーグ優勝した巨人が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がったDeNAと東京ドームで対戦。パを4年ぶりに制したソフトバンクは2位日本ハムをみずほペイペイドームに迎える。優勝チームが1勝のアドバンテージを持ち、6試合制で日本シリーズ進出を争う。15日は日本ハムを除く3チームが調整を行った。

 会見場を後にする間際、岡本和が振り返ってニヤリとした。「きょうの話を聞いてみんな、少し大人になったと思ったでしょ」。ちゃめっ気たっぷりな主将だが、会見では一貫して主砲の自覚を語った。約8分間の決意表明。4番のバットで日本一の挑戦権をつかむ。

 阿部監督が東京ドームでの全体練習後、左脇腹を痛めている吉川に言及。この日、ダッシュや二塁でノックを受けるなど、ギリギリまで回復を待ったが決断した。「登録はしない。他のメンバーに頑張ってもらう」。今季、全試合スタメン出場した正二塁手の出場が絶望的になった。

 共にシーズンを完走した岡本和は、チームの総意を代弁するように言った。「負けてしまったらもっと責任を感じてしまう。そうならないように僕たちがカバーして、勝つことができたらいいと思う」。苦い経験が言葉になった。3位に終わった21年、CSファーストS直前に同じ左脇腹を痛め、ファイナルを通して出場がかなわなかった。

 「その時はすごく申し訳ないと思いました。(吉川も)最後までやりたかったでしょうし、カバーしていくのがチーム」

 DeNA戦の打率は・307。特に初戦で相対するケイを同・417、2本塁打と得意にする。「短期決戦は、個人のことはどうでもいい。先に1勝を取れるように」とし、吉川に向け「(日本Sに)行くつもりでやっている。そのつもりで治療してほしい」とエールを送った。12年ぶり日本一まで、あと7勝。まずは頂に立つ挑戦権を得る。