二塁の位置でノックを受ける中山(後方は吉川)

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 巨人の中山礼都内野手(22)が、16日に開幕するCS最終Sに二塁で先発出場する可能性が14日、高まった。ろっ骨付近を痛めて別メニュー調整が続く吉川の代役に浮上し「気持ちの準備はしたい」と意気込んだ。また浅野翔吾外野手(19)は右翼のスタメン出場が有力となり、ドラフト1位ルーキーの西舘勇陽投手(22)も初のCS登録メンバー入りが内定した。

 糸を引くような中山の打球が次々と東京Dの左翼フェンス際に弾んだ。時折うなずきながらフリー打撃で快音を連発し「今日はいい感じに打てました。これを維持してCSに臨めたら」。圧倒的な守備力で内野を支えた吉川が別メニュー調整を続ける緊急事態。フェニックス・リーグ中に阿部監督から「代打の1番手」に指名されていた若武者が、代役セカンドの最右翼に浮上した。

 投内連係は増田大とともに二塁へ。「尚輝さんがああいう状態なので、セカンドもできたらと思って」と、川相内野守備コーチと様々なシチュエーションの動きを確認した。今季、1軍では二塁で4試合に途中出場したのみだが「気持ちの準備はしっかりしたい」と、実戦さながらの緊張感で軽快な動きを見せた。

 悔しさをバネにはい上がった。約3か月ぶりに先発出場した8月10日の中日戦(バンテリンD)では守備のミスが続いて途中交代となり、2軍降格が決定。ファームでは「いろいろな方が背中を押してくれて、もう一回はい上がろうという気持ちになれた」。再昇格した9月以降の15試合で24打数11安打、打率4割5分8厘と爆発し、V奪回のピースとなった。

 21年のCSはメンバー外。4年目で初の大舞台に「ワクワクしています。状態は上がってきているので、思い切ってやるだけです」。強心臓の22歳が、シンデレラボーイに名乗りを上げる。(内田 拓希)