「来シーズンに向けて頑張りたい」疾患公表のソフトバンク21歳・田上奏大 同じ病気の人に勇気を与えるために
ソフトバンクの田上奏大投手（21）が9日、難治性の疾患「ランゲルハンス細胞組織球症」と診断されていることを公表した。みずほペイペイドームで行われた3軍戦に登板した後、涙を浮かべながら症状を明かした。
田上は2021年にドラフト5位で大阪・履正社高から入団したプロ4年目。今年2月の春季キャンプで背中の痛みを感じて病院に行くと、骨が溶けて疲労骨折していた。「病名が分かるまで、怖くて生きた心地がしなかった」。医師からは野球ができない可能性も指摘されたという。
不安を抱える中、家族や周囲の支えでリハビリに取り組み、試合で投げられるまでに回復した。この日は6回から1イニングに登板し、5球全て真っすぐを投げ込んだ。「自分の持ち味で勝負できた」。ベンチに戻ると涙がこみ上げた。
病名を公表したのは、自分が投げる姿を見て、同じ病気で苦しむ人たちに勇気を与えたいという思いからだった。「うまくいかない日々が続いていたけど、来シーズンに向けて頑張りたい」と前を向いた。
（浜口妙華）
