凱旋門賞に出場する武豊騎手と坂井瑠星騎手

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 現地10月6日、パリロンシャン競馬場で第103回凱旋門賞(G1・芝2400m)が行われる。昨今はやや凱旋門賞へ挑戦する日本馬も縮小気味となっている中で、昨年はスルーセブンシーズが僅差の4着。改めて適性のある馬なら上位進出も不可能ではないことを証明した。

 日本からは世界の矢作師が送り出すシンエンペラーが参戦。凱旋門賞馬ソットサスの全弟で、ここを勝つための血統とも言える超良血馬を送り込んできており、近年の日本馬とはやや様子が異なる。

 前走の愛チャンピオンSで3着に入り、欧州ブックメーカーの前売りでも上位人気評価で、期待の大きさが表れている前評判。重馬場でも問題はなさそうで抜けたライバルが不在の今年ならひょっとしたら…と思わせてくれる血統背景であり臨戦過程だ。

 矢作師も「今の状態には非常に満足しています」と手応えを感じている様子。枠順も11番ゲートとそこそこのところに入った。坂井瑠星騎手は凱旋門賞初騎乗も、昨今は世界のビッグレースで活躍している経験豊富な若手騎手。ロンシャンでの騎乗経験もあり心配は無用。斤量も有利な3歳馬で、ここで勝たねばいつ勝つのかというほど、勝つための条件は整っていると言えそうだ。

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 そして、武豊騎手が騎乗するアルリファー(牡4・愛・J.オブライエン)も非常に注目されている一頭。キーファーズがクールモアと共同所有する、言わば準日本勢。8月のベルリン大賞で圧勝、初の2400mを克服して一気に評価を上げてきた。

 武豊騎手自身も1994年ホワイトマズルで凱旋門賞初挑戦(6着)から今回で11度目の騎乗。日本勢史上最大のチャンスと思われた2006年ディープインパクトでは悔しい3着入線後失格。それ以来のビッグチャンスとも言える騎乗馬が巡ってきた印象だ。

 欧州の2400m路線は非常に強い。前走の相手は強かったとは言い難いものの、抜け出す脚の速さ、5馬身差圧勝のパフォーマンスは侮れない。武豊騎手も「コンディションも良さそうで乗りやすくていい馬」と評している。混戦模様の今年なら最有力候補にも近いと言っても良いだろう。シンエンペラーと共にチャンスの大きい一頭であることは間違いなさそうだ。

 欧州の有力馬は3歳勢が強力な印象で、仏ダービーを無敗で制したルックドゥヴェガ、前哨戦ニエル賞を制したソジー、A.オブライエン勢からは愛ダービー馬・ロスアンゼルスなど、斤量有利な3歳馬は上位争いを演じて来そうだ。注目の発走は6日(日)日本時間の23時20分頃。